2013年11月8日金曜日

日本旅行(4)鎌倉


 日本に着いてから4泊してもまだ時差の問題から解放されず、夜中に目を覚ましてしまう。それに、連日の強行軍でそろそろ疲労も感じられる。ベッドの中で「明日からの行動は安楽と時間節約を…」と考える。

 10年前に行った鎌倉へ今回もぜひにと、娘から出発前リクエストがあった。特に「小町通り」での買い物が忘れられないらしい。しかし今回(24日)は子供たちのため先ず大仏へ行くことにした。
 
 池袋—鎌倉間は湘南新宿ラインで1時間ちょっとだが、「安楽さ」のため往復ともグリーン車にした。必ず座れるから、と思ったが、ダブルデッカーの2階展望車はほぼ満席で我々7人は別々にしか座れなかった。鎌倉駅から大仏まで時間節約のためタクシーを計画したが空車が少なく、スタンド前の20人ほどの人の列は一向に短くならず、しかたなくバスにする。この頃から生憎の小雨模様となる。


 鎌倉観光の目玉、大仏像はいつもながらの人の群れ。修学旅行生、外人観光客の数も多い。13世紀半ばの建立である(正確な年は不明)と聞いても、「ハンザ同盟成立と同じ頃か!」と、ドイツ人はあまり驚かない。ヨーロッパの歴史は古く、歴史の新しいアメリカからの観光客の反応や驚きとはまったく次元が違う。子供たちは、大仏の頭にとまった鳩がウンチをしていたこと、20円払って入った像の胎内が「すごく狭くて暗かった」ことが印象的だったらしい。

 この大仏様、元は大仏殿があったらしいが今では年中雨ざらし。雨模様のこの日、薄着でもあり寒そうな様子でお気の毒!「鎌倉や みほとけなれど 釈迦牟尼は 美男におわす 夏木立かな」(与謝野晶子)とあるように、この仏様はやはり蝉の声が騒がしい夏の季節に訪ねるのが良いのかも知れない。でもこの仏像は阿弥陀如来であって「釈迦牟尼は」はおかしい!「阿弥陀には」としても字余りにはならないのに、晶子さん知ってはいたが、語の調子からそうしたのかな?それはともかくこの大仏さんは、建立後100年も経たずに鎌倉幕府の終焉(1333年)を目撃したのだ(開いているかいないか判らないほどの細い目で!)。
 
 昼食後の「小町通り」はかなりの雨となって歩き難い。混雑も浅草の仲見世とさして変わらないほどの賑わい。一番下のユリア(5歳)は疲れ寝入ってしまって両親が代わる代わる抱いて歩くことになる。そんなわけで、残念ながら鶴岡八幡宮やその他の社寺仏閣は見ずに早々に帰路についた。それらは子供たちにはあまり興味ないかもしれないし。ヨーロッパ観光について来る日本の子供たちが、連日の教会堂・聖堂見学で「またキリストか!」と文句を言うのと同じだ。
 



 
 でも時間が早かったので途中東京駅で下車し「エキナカ」を見ることができた。これは昨日の計画に入れていて実現しなかったもの、何百種類もある駅弁も、ぜひ見ていくつか買ってみたいと思っていた。改札口を出ないでそのまま行ける区域はGranStaと名付けられている。Tokyo Station Cityと別名にあるように、食べ物街をもつ一つの町のよう。まあなんと、次から次へと現れるおいしそうな数多の食べ物のオンパレードであることか!「ねえ…、いろいろ買って帰ってホテルの部屋でピクニックしましょうよ。基本のオニギリとお茶や飲み物はホテルの角のコンビニで私が買ってくるから」という娘の一言で夕食は決まった。鎌倉−池袋までは都内同額なのでそのままの切符でエキナカから山手線に乗り換えた(一旦改札を出ると新しい切符が必要であることは言うまでもない)。


 寿司に焼き鳥、コロッケにロール巻きにサラダ等々と、7人がホテルの一室に集まってベッドに座って食べて満腹したピクニック。これも日本旅行の忘れられない想い出として残ることだろう。

4 件のコメント:

  1. 亡き母が好きだった鎌倉へは横浜に住んでいるころよく行ったものです。いつも小町通りから八幡様へがおきまりでしたが。埼玉に来てからもう20年近くも行っていませんが鎌倉って変わらないのでしょうね。
    Tokyo Station City は新幹線で大阪へ行き来している主人はよく利用していますが私は一度行きたいと思います。でも旅の途中で大勢だったから楽しかったのでしょうね。予定以外のことで楽しい思い出が残るのも旅の醍醐味なのでは?

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    1. 交通の便も良くなったことだし、20年ぶりの鎌倉へぜひ行って下さい。10年前ベアーテと横浜のグランドホテルに泊まっていた時半日自由行動を与えたら、一人で「小町通り」まで電車で行ってきましたよ(2日続けてだのに!)。彼女それほど好きなところなのです。
      エキナカはインターネットで調べておいて、3つのセクション全部見るつもりだったけど、とてもとても!でも1時間足らずでも、その雰囲気は十分わかりました。

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  2. 三千男さん。鎌倉の大仏見学に行かれたようで、楽しかったですね。私も過去3回くらいは大仏前に出かけましたが、幸い雨に遭うことはなかったです。皆さんにすれば、大変な目に遭ったことになりますが、大仏の座禅姿を見て感想はいかがでしょう。信仰も違うブッダの姿をどう見ているのでしょう。古い遺産の濡れ姿はいかがでしたか。取りあえず”かわいそう”かな。大阪の山さん

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  3. ずいぶん昔のことですが、「仏像を見ると、不愉快・不快感に襲われる」、とあるアメリカ人が言っていました(保守的なキリスト教徒)。今では宗教は違っても、仏像の良さ、美しさを正しく評価できる欧米人が増えたと思います。
    偉人や有名人の銅像・石像はともかく、キリストやマリア像の雨ざらしというのは例が少ないのでは?もっともリオ、コルコバードの山上のキリスト像は例外ですが。

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