2012年12月26日水曜日

孫達とのクリスマス


 カナダの大学で教えている娘夫婦の一家が17日の朝やってきました。孫のジューンとジョエルに会うのは2011年の5月以来のこと、一年半以上の間に子供がどんなに成長するか!驚くばかりです。特に来月3歳になる下の孫息子ジョエルがこの間によく喋る(ドイツ語と英語をごっちゃまぜにして)ようになったのにはびっくりしました。

 彼らの冬期ドイツ訪問は初めてですが、その主な目的は本場ドイツの「クリスマスマーケット」が見たいから(ジューンの希望)、というものでした。−30℃にもなるカナダのクリスマスシーズンでは、戸外に屋台を出して客を呼ぶことなんかまったく無理なのです。今日(26日)も零下23℃と厳寒です。そんな北国の住人たちは、ドイツの冬が暖かくておかしな感じだ、と言い続けています。

 到着翌日、早速クリスマスマーケットに行きました。昼食にクレープを食べ、子供用ポンチを飲み、レトロなブリキの玩具を買ってもらい、メリーゴーランドや観覧車に乗り、楽しい半日を過ごしました。これでやっと夢が叶い、2人の孫は満足そうでした。
その後数日はここで過ごし、彼らはその後他の親類を訪ねるため出かけて行きました。
 
 我々はクリスマスイブの24日、ビーレフェルトに住む孫を訪ね、先ずその日の午後、3人の孫娘達が羊飼いや天使として登場し教会で行われるページェント(生誕劇)を見ました。そして夜は恒例のプレゼント交換で、食事前のしばらくの時興奮が覚めやらない状態が続きました。

 そして25日の午後にはカナダの一行がビーレフェルトに到着・合流し、またまた新たなプレゼント交換が行われました。これで孫5人が勢揃いしたわけで、カナダとドイツに分かれて住む従兄弟同士もしばらくぶりに会って、嬉しそうでした。カナダの家では母親がいつもドイツ語で子供達に話しかけるので、英独両方を理解し話すことが出来、言語上の問題がまったくないのは幸いなことです。

 一年中で一番華やかで楽しいクリスマスシーズンに、孫全員と一緒に過ごせた幸いを心から感謝しています。

2012年12月7日金曜日

ペン、ペン、ペン…


 カリグラフィーをやり始めてから、「この文字はどんなペンを使えばうまく書けるのだろうか」と、ペンに興味を引かれるようになった。初心者用手引きには、先端が平たくカットされた1.52.5ミリ幅のインク溜まりつきペン(そこへ筆かスポイトでインキを注ぐ=2重ペン)を使うよう書いてあるので、それは何本か手に入れて練習用に使っている。後に始めたCopperplateでは、先の極く細いペン(point pen)とオブリーク(斜め)ホールダーを使い5254度の角度で圧力をかけたり抜いたりしながら、太い線と細い線で変化させて書く。

 夏の休暇でドイツ東部のゴータの町へ行った時見つけたのが下の「ガラスペン」。欧州各国の王族、貴族を輩出した町で見つけたからか、とくにハイソサエティ・貴族的(!)に目に写ったのですぐに買った。値段はスタンドつきセットで35ユーロほどだった。

 後日日本のTV番組で「ガラスペン」は明治30年代初期の日本が発祥の地であることを知って驚いた。ガラスの風鈴を作る職人が考えだし、世界に広まったのだそうだ。ボールペンに押されて今では日常実用に使う人は少ないが、飾り物の贈り物として売られており、数千円から高いものは3万円するという。ペン先をインキにつけると毛細管現象ですぐに上がって来て、良いものだと300文字以上書ける。ペン先の加工によるが、かなりきれいな細い文字を書くことができる。カリグラフィー用にはどうだろう?まだあまり使っていないが、時々装飾用の場所に使えるとは思うけど、その他はあまり使い道がないので、今は部屋の飾りとなっている。

 次は万年筆だ。友人のfacebookで知った「ナミキ・ファルコン」というペンで、元々パイロット社が作り輸出用にこの名前がつけられているものだ。そのデモをYou Tubeで見て、ペン先の柔らかさに驚いた。これだけ柔軟なペンならカリグラフィー用に利用出来そうだと思ったのだ。


 早速日本に手配して入手したが、18kのペンはたしかに柔らかくよくすべり書きやすいものだ。しかし後で知ったのだが、上のデモで使ったものは柔軟性を増すためペン先に特殊加工をした極細タイプである。それを極限まで圧力をかけながら書けば、ああいう文字も書けるだろう。でも絶えずそんな使い方をすれば、傷めることは明白だ。私の場合は、細い線は下から上に軽く滑らせて書き、圧力をかける太い線は最小限で止めれば上のようなグリーティングカードは書ける。しかし、やはりこういうペンは、原稿用紙に大きな文字で書く時に最も適しているものだろう。

 伝統的カリグラフィーの2重ペンやポイントペンでは、書く時インキがすぐなくなる(平均で数文字、1行は無理だ)のが問題だ。その点万年筆型はペンにインキをつける作業から解放される。そんな理由から、ドイツのRotring社やStandardgraphでは、ペン先を平たく切ったカートリッジ使用の万年筆型カリグラフィーペン(アートペン)を出しているが、時と場合によればこれらのペンも便利である。

 その他ペン(書く道具)としては毛筆、マーカーを初め、木、竹、紙、金属を使って自分で作るペンがカリグラフィー手引書に紹介されている。これらは特別な文字を書き特殊効果を出すために使うものであり、いつか後日必要となれば参考に出来るだろうが、現在のところ私は、基本的なペンの使用をマスターすることに専念したいと思う。