2011年11月25日金曜日

日本旅行2011(4)


4.京都駅

 京都の宿は駅のすぐ東側にある徒歩23分のセンチュリーホテルだったので、食事やショッピング等で京都駅へ出向く機会が多くあった。そして行く度にこの駅の凄さに度肝を抜かれる思いがした。

 正面から見た印象は正直言ってあまりいただけない。高さを60mに抑え、建物を分断して反対側にも人間の視線が行くように考慮されてある(建物を通して向こう側も見える)というが、やはり圧迫感があり京都を2分する衝立ての感じをぬぐえない。裏側に住む京都人は取り残されたような気がして不満だろうな、と想像する。

 ところが一旦駅の中に入ると、思わず感嘆の声を上げてしまう。横幅470mあるこの建物の東側はグランヴィルホテルが、西側はデパートの伊勢丹が占めているが、4000枚のガラスと幾何学的な鉄骨の大屋根が覆う吹き抜け構造の中央コンコースを先ずご覧ください!私は世界各国の駅をいくつも見て来たが、こんなスケールのものは見た覚えがない。吹き抜け最上部(地上45m)にある空中経路(スカイウエー)を歩くのもすごく楽しい。

 
 吹き抜けから東西へ171段の「大階段」がついており、一寸した渓谷のようだ。これは高低差35mあり、11階建てビルに相当するという。この階段に沿って長いエスカレーターがついているが屋根はない。また屋上庭園も各所に備わっているがここも大空の下にあり、雨や雪の日、風の吹きすさぶ季節はどう使うのだろうとか、エスカレーターが雨ざらしになって大丈夫なのかと、建造計画した人は考慮しているだろうが、こっちは余計な心配をした。この階段を座席に使ってコンサートとか、駆け上がり競争のイベントが行われるという。

 駅前に京都タワーが出来たとき、古都の雰囲気を壊す建物だと総スカンを喰らったことを思い出す。京都駅も歴史ある京都と未来に向かう京都の調和を図って造られたというが、やはり外見はハーフミラーやアルミ材をふんだんに使ったモダンそのものの造りの建物だ。古都の景観を破壊するものと、主に仏教関係の保守的な人々からの批判が沢山寄せられたと聞く。何をしても新規なものに対する批判は当然出て来るだろう。

 私個人の印象としては、どこへも自由に入って行って見られるという、この駅の開放性というか、友好的な雰囲気が気に入った。スカイウエーの終点のドアを開ければ「ラーメンストリート」があり、日本各地の名店のラーメンが食べられる庶民的な面を備えている。ターミナルとしての駅本来の機能はもちろん、食事、買い物、ただの見物、そぞろ歩き等にも便利で楽しいし、なんと言っても未来志向のモダンなデザインに心奪われた印象深い駅だった。


 今年もイタリア、カナダ、日本と、健康にも恵まれ3回の大きな旅行をすることが出来たことを感謝している。ドイツは(日本もそうだったが)もうクリスマスシーズンの開始で、街のデコレーションも揃った感じだ。「四季折々のドイツ」も日本旅行記を終え本来のドイツに戻り、そちらにブログ書きを集中させるつもりでいる。

2 件のコメント:

  1. 京都駅の変わりように驚きました。
    これは外国人も想像できないのでは?
    京都=古都ですから、まさかこんな近代的なものが建っているとは?!
    この階段を使ってファッションショーも出来そうですね。
    イタリアのスペイン広場のように。。。 ^^;

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  2. この駅はたしかにモダンそのものですが、悪名高き「京都タワー」とは違い、全然不快感は与えられません。むしろ心地よい雰囲気があります。
    階段でのファッションショーとは!これは良いアイディアですね。京都市か駅へ提案でも出しましょうか?この階段の部分、駅構内とは対照的にあまり人の姿も見られずガラーンとしていましたから、もっと有効に使う考えを出さなければ!

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