2011年11月17日木曜日

日本旅行2011(2)


2. 福島県、裏磐梯

 妹夫妻に日本国内の小旅行を計画して欲しいと依頼したら、福島県の裏磐梯を提案して来た。「福島県」と聞いて初めは躊躇したが、ホテルも通常通り営業しているし観光客もかなり来ているので別条ないだろう、それに今の時期福島という所を自分の目で見てみたいという関心もあったのでそこへ行くことに決めた。

 東京駅から9時前に東北新幹線で郡山まで1時間強、そこからレンタカーで北へ1時間半。昼食時にはもう目的地のホテル、グランデコに着く。ここは有名なスキーリゾートだが、今のシーズンはホテルの裏庭から山上までゴンドラが運行しているので、さっそく活動開始した。ゴンドラの窓から見るカラマツ林は、紅葉の最盛時季は少し過ぎているがまだまだ美しい。冬のシーズンにはスキーヤーはこの山上から、傾斜のあるスロープ(中級から上級か)を滑り降りるのだろう。

 山の上では尾根に沿って散策路がついている。クマザサが至る所に生えていて、「熊に注意」の標識がたっている。我々を追い越して行った若人のグループは皆腰に熊よけの鈴をつけていた。幸い熊には出会わなかったが、ホテルの庭には早朝沢山の野生猿が来て木に昇り木の実を食べているのが見られた。ホテルの露天風呂にも猿は出現するらしく「猿と目を合わせないで下さい。危険です」という張り紙がしてあった。

 翌日はこの地方で最も有名な観光地「五色沼」へ。この辺りに散在する湖沼群は明治20年代の火山の大噴火の結果河川が埋められて誕生したもので、総数200300に達するという。我々は五色沼入り口である毘沙門沼から裏磐梯高原バス停までの全長3.6㌔に及ぶトレッキングコースを歩く。目の前に次々現れる沼の水の色は、緑、青、水色(コバルトブルー)、茶、赤と、太陽の光の具合や、水質の違い、水中に生える植物や藻の種類によって様々に変化するが、その美しさはとても言葉では表すことが出来ない。ご自分で現場へ行くか掲載した写真で見ていただくよりほかないだろう。

 五色沼の散策路は4キロ足らずだが、途中で休んだり写真を撮ったりしたので1時間半以上は費やしただろう。最終点からはタクシーを使って駐車場まで帰ったが、「東日本大震災後観光客の数は激減しました」と寂しげに運転手が話していた。

 それはホテル、グランデコでも同様。震災により、東北新幹線は不通、自動車道も寸断されたので1ヶ月閉館に追い込まれた由。これから始まるスキーシーズンに備え、ロープウエーは115日で営業終了し25日をめどにスキー客受け入れの準備にとりかかる、しかし今年の天候が暖かなので果たしてそれが可能かどうか心配だ、とマネージャーが語っていた。(昨日15日のインターネットには雪が降り始めた、というホテルの嬉しいニュースが載っていた。これでホテル営業も活気を取り戻すことだろう)。

 今年は災害で大変な損失を蒙った福島県の人々をお気の毒と思う。でもどこへ行っても皆さんが健気に働いておられる様子を目の当たりに見てこちらの方が元気づけられたほどだ。郡山駅で買った駅弁にも「がんばってます!福島!!」の文字を発見した。あれから数ヶ月、寒い東北の冬がやって来るので生活はますます厳しくなることだろう。遠く異国の空から一日も早い復興を祈っている。

2 件のコメント:

  1. 福島は自然が素晴らしいです。
    会津に住む大親友、やますけ農園の方々も頑張っています。
    きっと復興できます。そう信じて!

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  2. Miluさん、
    福島の山と湖の景色にはもう溜息が出るのみ、秋の紅葉を満喫させてもらいました。
    「やますけ農園」のこと、さっそくインターネットでリンクを探し、You Tubeもみて勉強しました。脱サラの方があのようにすばらしいお仕事をなさっておられる様子、感動しました。

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