2011年11月14日月曜日

日本旅行2011(1)


1.東京

 これまで東京滞在ではお茶の水にある「私学共済会」のガーデンパレスホテルを使っていたが、今回は六本木にホテルをとり数日滞在したので、この界隈を隈無く歩き回ることができた。中でも印象的だったのは「六本木ヒルズ」と「森タワー」だった。この地区は1980年代に都市再生の目的で計画•建設が開始され2000年代初期に完成したが、以来モダンな東京の目玉となっており、毎年4000万人以上の人が訪れる。

 54階建ての「森タワー」の展望台シティービューに登って上から見物する。赤い「東京タワー」と高層建築物の並ぶ東京は目の下、はるか遠方には東京湾が。夕焼けを背景にした富士山も遠くに望むことができる。

 ヒルズから「東京ミッドタウン」を通り北西の方角に全面ガラス張りでキラキラ光って見える建物は、黒川紀章のデザインした「国立新美術館」だ。折から「日展」が開催中と聞き出かける。 100年以上の歴史を持つこの公募展は、現在洋画、日本画、彫刻、美術工芸、書の5部門に分かれ、今年度の応募者数は14000点ほど、入選者には101歳から18歳までの人が含まれるという。最初の洋画と日本画にかなりの時間を取られ、彫刻の部屋に入ったころ我々夫婦はもう歩き疲れ疲労困憊の状態。これだけの規模の展覧会は半日だけではとても足りない。なにはともあれ、これだけの大作をもって応募する人が、日本にはこれほど大勢いることを知り驚くばかりだ。洋画の作風が保守的なのに対し、日本画の方に思いがけなく突飛なテーマや描き方が見られたのは意外だった。


 翌日はがらりと趣向を変え「築地市場」へ出かける。ここ世界最大の卸売り市場の競り市は午前4時ごろから開かれるということだが、最近は見学者が多く本来の仕事の邪魔になるのでかなり敬遠されると聞く。我々はゆっくり都営地下鉄大江戸線で10時頃出かける。大規模な取引きビジネスはとっくに終わっている時刻だが、場内には特別な運搬車がひっきりなしに走り回り、まだ忙しく働いている人の数は多い。

 今日のお目当ては魚河岸横町の見学と新鮮なネタを使った寿司を食べること。我々は観光客の群れに混じり適当な店を探し求める。「早朝の時間帯なら、ゴム長靴を履いた人が入っている店がいいのですが…」と、雑貨屋の店員さんが教えてくれる。築地で働く人は、どこが良い店か知っているからだ。でも、今の時間ではそれは無理、なるべく長い列を作って人々が待っている店の前に並ぶ。待つことしばし、やっとありついたのは「まぐろ、ウニ、(イクラ)」丼で値段は味噌汁、小付け、漬け物つきで1450円だった。

 ここで印象的だったのは、どの店の人も観光客に対し本当に親切だ、ということ。いろいろ興味をもって尋ねる遠来のドイツ人の我が妻の質問に、忙しい仕事中にもかかわらず、いやな顔もせずお茶屋さんのお兄さんも鰹節屋さんのおじさんも実に丁寧に説明をしてくれたのはありがたかった。

 この数日、どこへ行っても外国人観光客の数の少ないのに気づいた。中国人客数はまあまあだが、欧米人はめったに見かけないのだ。やはり東日本大震災の影響なのだろう。

2 件のコメント:

  1. 私も前回帰国した時に六本木ヒルズへ行きました。
    ヘリコプターが着地する一番上まで!!!
    富士山は見えませんでしたが、余りの高さに足が。。。

    築地市場は知りませんでした。
    新鮮で高級な魚がこのお値段で頂けるとは?!
    次回是非行ってみたいです。

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  2. Miluさん、
    ニューヨークの摩天楼は少しも怖くないのに、東京の高層建築物はこわーい!地震国の日本に建つ高いビルは、本当に地震が来たらどんなに揺れるのでしょう?一度経験したい(怖いけど)という気持ち、なきにしもあらず、です。
    築地市場は絶対お勧めです。新鮮な魚を使った寿司屋ばかりでなく、他のお店もすべて面白いですよ。

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