2012年8月27日月曜日

猛暑の野外パーティ(2)


 翌日(19日)も35℃以上の猛暑でした。おまけに野外での昼食の時間に招かれていたのでどうなることかと少々心配でしたが…。

 妻の兄の奥さんが60歳の誕生日を迎えたので、親類、知人、友人、会社関係の従業員、顧客等々数十人から百人近くを招待しました。0のつく誕生日はドイツ語でRunder Geburtstag(端数のない誕生日)と呼び、特に大きなお祝いをします。今回は自宅の庭が会場。そこはアーヘンの郊外で、かつて領主の要塞・城であったものを数軒の住宅に造りかえたものです。付随する当時の病院、僧院、厩等がモダンな石造りの家になっています。


 オードブルやおつまみ等は自分の手で作りましたが、グリルの肉、魚、サラダ類、デザート等メインの食べ物と各種飲み物はすべてパーティサービスの店から取り寄せ、そこの従業員が終日サービスに忙しく立ち働きました。来客は戸外の木陰で食べる人もいましたが、ほとんどの人は床つきのテントの中で食事をとりました。テントの中も照りつける太陽のため蒸し風呂のようになりましたが、あちこちにスタンド扇風機を立てなんとか暑さをしのいでいました。

 食事の後司会者のリードの元皆でゲームをやりましたが、これも炎天下でのお遊びで、参加者にはかなり辛いことでした。最後に参加者全員に風船が手渡され、司会者の合図で空へ放たれました。それに先立ちなされた主賓のスピーチは印象深いもがありました。「60歳になった今日まで 多くの子供や孫に恵まれて元気に生きて来られたことに心から感謝しています。身内ですでに亡くなった人たちにこの喜びを分かち合いたいと思い、その願いをこめて風船を空に放ちます。今日の参加者と一緒に天国で喜んでいただければ幸いです。」


 2日続けて大きな野外パーティに参加して考えさせられたのは、平和で豊かであらゆる点で恵まれているドイツの社会に住んでいることに感謝しなければならない、ということでした。欧州内では財政危機に襲われ瀕死の状態の国(ギリシャ)があり、ユーロドリームが破れ職を失った人々が溢れています(スペイン)。中東では内戦で荒れている国(シリア)で同胞同士が殺し合っている、アフリカ諸国では何年も続く食糧難で飢え死んで行く人が絶えないのが現状です。多くの風船には「世界に平和と十分な食べ物を。人々に働く場所と生きる希望を!」という願いをこめて放たれたものが多くあったことでしょう。

4 件のコメント:

  1. ドイツでは60歳の誕生日はとても大きなお祝いをするのですね。日本でも還暦という節目はありますが。誕生日はお祝いと同時に祝って貰う人の生かされていることへの感謝の念を新たにすべき日でもあるのですね。集まった人一人一人の思いを載せて風船は空に舞い上がったことでしょう。平和が長く続きますように。いいパーティのご報告ありがとうございました。

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  2. baabaさん、
    0のつく年の誕生日はいつも規模が大きいですが、特に50、60歳のがそうであるかも知れませんね。70にもなると現役を引退しているし、30、40ではまだ地位も財産も確立していないからでしょう。兄嫁の家族では子供たちが4人いて、彼らが良い計画を立てたので、お祝いも立派なものとなりました。

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  3. とても暑い中でしたが素晴らしいお誕生日パーティーでしたね。
    イタリアも40からantaになるので、(要するに40=quaranta
    50=cinquanta、60=sessanta...)40から大きなパーティーを行う人が多いようです。
    私は40歳になった時、恥ずかしかったので全く誰にも言わず
    大人しく小さなパーティーをしました。 ^^;
    60歳の還暦にチャレンジしてみようかしら?

    スピーチもとても感動的で心が和みますね。
    ヨーロッパの不況、ドイツだけにでも頑張ってもらわないと!
    イタリアはどうなる事やら・・・



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  4. Miluさん、あまりに大きなパーティーになると、新しい人と知り合いになることが難しく、終始親族とか知った同士でかたまってしまって、何か味気ないことになります。やはりサイズもまあまあのところで抑えて欲しいものです。
    あなたが60歳のチャレンジのことをおっしゃっているとは!Quarantaが過ぎたばかりでCinquantaもまだまだ先のことでしょう?
    イタリアはあの問題児の首相が辞めてくれたので、良くなって行くのでは?ドイツではギリシャを助けようという人と、追い出せ!といきり立つ人との間で激しい争いが行われています。今日のTVニュースもそのことを取り上げていました。

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