2015年1月19日月曜日

音楽を聴き、楽譜を読む楽しさ


 何十年間かの間に買い集めた楽譜が、整理もされず戸棚の中に乱雑に並びかなりの数になっている!そのほとんどは私が学生の頃からやっているフルートの独奏曲のための楽譜である。いわゆるピース譜であるが、この3年ばかり先生についてリコーダーを習っている妻の楽譜もそれに付け加わり、ますます増えている。

 大判でスペースを取るのは合唱曲の楽譜で、以前入っていた合唱団で使ったバッハ、ヘンデル、ハイドン、モーツアルト等のオラトリオ、ミサ、受難曲(パッション)、鎮魂歌(レクイエム)で混声4部ピアノ伴奏(演奏会ではいつもプロオーケストラが伴奏した)がついているので分厚い。

それに加え私の趣味でドイツリート(主にシューベルト、シューマン)の独唱楽譜とピアノ曲もある。私はピアノは弾けないし、歌も歌えないのにCDを聴く時に見るのが楽しいので買い集めたものだ。

 そしてオーケストラの総譜(Score, Partitur)がある。これの読み方は中学2年の時クラシック音楽に詳しい近所の大学生のお兄さんから、「上から木管、金管楽器が並びその下が打楽器。 協奏曲の場合ソロ楽器がここに入り、一番下は4つの弦楽器だよ」という風に手ほどきを受けた。まだLPもない時代で98回転のレコードを電蓄で聴きつつの勉強だった。レコード一枚が分厚いので交響曲になるとずしりと重いアルバムとなる。「今第一バイオリンが主旋律を弾いている。次にそれを木管楽器が引き継いで…。ここではオケ全体がフォルテで鳴っているよ」という具合に総譜を見ながら音楽を聴くことが続いた。お陰でソナタ形式等曲の構造を理解し、オケのそれぞれの楽器の音にも慣れ区別することが出来るようになった。それ以来、気に入った曲を聴くと必ずその総譜を買うようになった。

 その内総譜の中のフルートのパートを五線紙に書き写すことを始めた。自筆のパート譜を作ったのだ。それは、CDをかけて一緒に演奏できるからだ。勿論難しい曲は手に負えない。ハイドンの「驚愕交響曲」やシューベルトの「未完成」くらいならいけると思い、筆写して吹いてみた。オケやブラスバンドの経験のある人なら判るだろうが問題は休止の部分で、そこは全休止符を書き何小節休むかは数字で表す。出だしを合図してくれる指揮者はいないので、演奏より休みを数えるのに苦労した。なんとか出来た時、有名なオーケストラと競演している気分に浸ることが出来嬉しかった。

 最近村上春樹の「小沢征爾さんと、音楽について話をする」を読んで以来、マーラーの交響曲に関心を持つようになった。それでまたCDと総譜を集め出した。それを聞いて妻の兄が「マーラーなら自分でTV番組からDVD録画したものが何枚かあるから貸すよ」と言ってくれた。お陰で13番、79番をコピーできた。早速ルツェルンフェスティバルでのクラウディオ・アバドの第一番(巨人)から総譜を見つつ聴き始めたが…。初めこそついて行けたが途中でどこかわからなくなった!それはTV画面に現れる演奏者やアバドの大写しの表情に気が散るからだ。やはり音楽の構造等を勉強するにはCDの音(聴く)と総譜(読む)だけに集中して、DVD(観る)はゆっくりそれだけを楽しむのが良い、ということが判った。

2 件のコメント:

  1. 三千男さん。貴台の歩んだ人生と音楽は切り離しはできないでしょう。古い楽譜に目を通しながら、音楽はむしろ脇役で、主はその時代や時節の心境を思い出しているのではないのかな、と想像しています。でも幾らか古い楽譜を捨てられず、大事に残す気持ちは、よく分かります。整理したい気持ちとの分別がつけにくいでしょうね。「ロッカー奥からとりだした古い楽譜への郷愁」をもっと長く大切にしてください。大阪の山さん

    返信削除
    返信
    1. 何百部という楽譜は、時代別、作曲家別、ジャンル別にちゃんと整理しておかないと、必要になったときすぐに取り出せません。でも怠けと時間のないことで放ってあって、見る度に心が滅入るだけです!
      でも先日偶然2本のアルトリコーダーのための4つのソナタJohann Mattheson (1681-1764)を見つけ(いつどこで買ったのか不明),妻と合わせてみたら面白い曲だったので、この数日間一緒に練習しています。こんなのは掘り出しものというべきでしょうね。

      削除