2012年10月9日火曜日

珍種リンゴ即売会



 果樹の9割までをリンゴの樹が占めているここNRW(ノルトライン・ヴェストファーレン)州は、リンゴの産地として知られている。しかしアレルギー症の私はリンゴが苦手だ。市販のリンゴを食べるとよく喉や気管支が刺激され、苦しくなるのだ。だから果物はよく買う我が家でも、私はリンゴだけは食べるのを避けている。


 そんな時妻がインターネットの情報で、アレルギー持ちでも食べられるリンゴを売る市場が立つことを知り、買いに行ってくれた。場所はデュッセルドルフの南端、隣町モーンハイムとの堺にあるハウス・ビュルゲル果樹園だ。思ったより遠く、週末(金曜日)の夕方通勤者の車が混雑する時間帯で片道45分ほどかかった、と妻がこぼしていた。

 ここはかつてローマ軍の城塞であった所で2000年もの歴史を持つ土地だが、今日では自然保護地域に指定され、環境汚染されていない果樹が栽培されている。 そこで売られているリンゴはどれも、交配されていない古くからある品種のもので、スーパーではお目にかかれない珍種ぞろい、中には絶滅の危機に面している種類のリンゴもいくつかあるという。商業用に大量栽培するものではないので農薬は一切使われず、機械摘みすることはなく果実は1個ずつ人の手でもぎ取っている。売店も写真で見る通り簡単なスタンドで、売り手もどうやらボランティアの人たちのようだった。

 さて、アレルギー症の者が食べてみると、なるほどチャンと食べられる!喉も通るし胸も苦しくならない。しかし味の方は?確かにシャキシャキとして新鮮ではあるが、歯に当たる感じはかなり硬い。「甘味が強い」と記されている品種のものも酸味が多く、我々の舌にはかなり酸っぱい感じがした。

 このような産地即売会はリンゴの収穫時期に数日で終わってしまう。買いにくる人もさして多くないから、大きな売り上げのあるビジネスとはならないだろう。リンゴ自体の大きさや色もまちまちで、見た目にも決して魅力的とは言えない。これからも、汚染されていない珍種を求めて何人かの人が毎年やっては来るだろうが、このような即売会がこれからどれほど続くことやら、どうもおぼつかない。

4 件のコメント:

  1. リンゴのアレルギーなどというのがあることは知りませんでした。見た目にはあまり美味しそうだとは言いづらいリンゴのようですが不思議ですね!普通のリンゴより高いのでしょうか?これを機にリンゴアレルギーから解放されるといいですね。アレルギーの食品はリンゴだけですか?他にも?

    返信削除
  2. baabaさん
    以前は全然大丈夫だったのですが、いつ頃からかリンゴを食べるとおかしくなったのです。
    このリンゴたしかに市販のものより値段は高いです。まあ、当然ですが。これを食べる限り問題ありませんが、スーパーのリンゴではまた以前と同じ兆候が出ることでしょう。リンゴ以外で絶対にいけないのが「椎の実(ヘーゼルナッツ)」で、これを使ったお菓子は食べられない、これを用いるケーキのレシピーも避けています。

    返信削除
  3. イタリアでは自然食品が密かにブームになっています。
    私ももちろんその一人ですが、中には怪しい自然食品もあると言う噂を聞き
    少し残念に思っています。

    この林檎は見るからに自然の林檎、これが本当の林檎の味なんでしょうね。
    価値ある物をこれからも売り続けられると良いのですが・・・

    返信削除
  4. Miluさん、
    そうその通り、こちらでも怪しい自然食品が目につきます。なんでも「自然、ビオ、エコ」と付ければ売れるのか、やたらとそんな表示の食品がはびこっています。
    今回のリンゴ、たしかにスッピンの女性みたいに!、自然自然していますね。このところ連日食べていますが、アレルギー症状はまったく出ません。ただ、リンゴ自体の酸味はかなり強く、口に入れても感じるし、しばらくおくとすぐに茶色になってしまいます。妻はレモン入りの水に浸してそれを避けています。

    返信削除