2011年12月7日水曜日

飲んだり、食べたり



 先号で予告したように、クリスマスマーケットに出かける人が飲み食いするものの写真を撮って来ました。どこへ行っても飲食物屋の小屋の多いことは驚くほどで、買い物が一段落した人も、「腹がへっては…」と、これから買い物を始める人も、あちこちで立ったまま飲んだり食べたりしています。この楽しみがなければクリスマスシーズンの雰囲気も出て来ず、退屈きわまりないものとなるでしょう。

 一年中で最も寒いこの季節に欠かせないクリスマスマーケットに必ず出る飲み物はGlühwein(グリューヴァイン、ホットワイン)です。何時間も歩いて冷え込んだ身体を温めるにはもってこいの熱い飲み物です。材料は赤か白のワイン、そして香料としてシナモン、香料ナデシコ、レモンの皮、ダイウイキョウ等が用いられます。これを最高80℃までの温度で温め、規定通り最小限アルコール度7%で売ります。どこの店でも趣向を凝らした模様のついた陶器の(時にはグラスの)コップを用意しその値段を含めて売ります。お土産に欲しい人はそのまま持ち帰れば良いわけです。日本人の中には、 国へのお土産にするためにコップを毎年数個ずつ集めている人がいます 。

 クリスマスのお菓子といえばChriststollen(クリストシュトレン)をおいてほかないでしょう。最近日本でもかなり知られるようになりデパートで手に入る、と聞きます。これはイースト入りの生地に大粒、小粒のレーズン等いろいろな乾燥フルーツ類やシトロン果皮の砂糖漬け、オレンジピール等を包んで巻いて作るものですが、その形が布にくるんだ幼子キリストに似ているのでこの名前(キリストのシュトレン)があります。それにクルミ、バター、マジパン、ケシの実等を入れそれぞれの名をつけたシュトレンが店頭に並びます。かなり重量のあるお菓子で、一切れずつ売る店もありますが、ここの店のは11kg売りのを並べ14ユーロの値段がついています。

 シュトレンをマーケットで立ち食いする人もいるが、これは主としてお持ち帰り用のお菓子。お腹を満たすためにはやはりドイツ独特のソーセージ屋に人が群がり大繁盛です。調理法は主として焼くだけ(Bratwurst 焼きソーセージ)、もうもうと煙を上げて焼かれたソーセージを丸パンにはさみ、たっぷりと辛子をつけて昼食、夕食にします。

 ドイツはジャガイモの国、マーケットでもジャガイモ専門の小屋を見つけました。おじさんの後にあるのは大型のジャガイモを丸のまま焼くオーブンで、両手で持つほどの大きなジャガイモの真ん中に切り目を入れ、そこに白いザウアーラーム(酸味のあるクリーム)を目一杯入れてくれますが、我々日本人のお腹では一個食べるのが難しいほどのボリュームです。もっとも、ソーセージもポテトもクリスマスに限らず、一年中どのお祭りやマルクトでも誰もが好んで食べるドイツ人に欠かせない食べ物です。

2 件のコメント:

  1. いつも懐かしいかつうらやましい画像を提供いただきありがとうございます。Altschtadtのクリスマスピラミッドは毎年私も写真をとっていましたが変わらず活躍していますね。東京では六本木ヒルズで恒例になったマルクトが開催されているようです。ただ、ヴルストやグルーワインの味は今一で価格も高いのがちょっと・・・シュトレンも懐かしいです。

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  2. MANさん、以前デュッセルドルフに駐在なさったり、店で働いていた方々から「懐かしい!」というコメントをいただき、投稿するこちらも嬉しさで一杯です。年々歳々人は変われど伝統的なクリスマス行事は相変わらず続いています。

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