2014年9月30日火曜日

「裁ほう上手」その後


 ボンド接着剤「裁ほう上手」を使う作品はその後も作り続けています。まずはこれ「キャラメルポーチ」は少し厚手の布で作りました。立体的なので形を整えるのに苦労しました。裏布にファスナーをつけてから「キャラメル包みの要領でのり代を折る」と解説にありましたが、「キャラメル包み」とは一体なんでしょう?上下から折るのか、それとも左右から折るのか?図を見ても分からず、ここで30分は思案しました。

 次は「封筒形ケース」。31cm四方の正方形を尖った角を上にして表布裏布を合わせて折り合わせるのですが…。そのまま左右、そして上下に折れば中のスペースも正方形になりますよね?ところが説明図は長方形になっている!どういう割合でそれを決めるのか?「裁ち図を参照して裁つ」ように指示があるけど、それだけではさっぱり分からず、ここでもまた30分ストップ。大体縦何cm横cmにする、と指示してくれれば助かるのに。結局いい加減なサイズの長方形にして何とかごまかしました。上の「キャラメル包み」も同じこと、この本、所々説明が不親切なところがあるみたい!

 次は小さなトートバッグです。これは今まで少なくとも20個以上は作ったもの。と言っても、これまでは針と糸を使いミシンで縫ったのです。それをすべて接着剤にしたらどうなるだろうかと試してみたかったのです。出来上がりはあまり違いがありませんが、作業時間を比べてみると…。一箇所にボンドを塗ってそこを熱いアイロンで押さえて乾かし、また次の部分も同じことをとくり返すと、大変な手間がかかるということが判りました。これではミシンで縫う方がずっと早い!それと、外側バッグと内側のそれを表合わせにし,持ち手を中に縫い込んでおいて最後にひっくり返すあのスリル(やったことおありの方はお判りでしょう?)もなくなってしまうのはつまらない!

 4つ目の「ファスナーポーチ」は以前一度作ったものを再度トライしました。やはり2度目は要領が良く判ります。しかし出来上がったものを手に取ってみるとずしりと重い!それはうっかりファスナーに大きく重いものを使ったからでした。同じ20cmのものでも,スカートの脇用とズボンの前立て用では、作りも重さもかなり違います。うっかり、そんな基礎的なことを忘れて出来上がってからしまった!と思った次第。これから気をつけましょう。

 それやこれやで、いろいろ苦労したり楽しんだりして作っています。次は、革のストラップ、カシメ、アップリケ、スナップボタン、ナスカン付き革ひも、アクセントテープ等々付属用品をいくつか仕入れて来て、また新しいものに挑戦しようか、と考えていますが…。

2014年9月24日水曜日

Photokina 2014


 今年も来訪者20万人近くに達したケルンのPhotokina 2014が終わった。カメラ、写真業界の傾向はどうなのか?2年前の時にもすでにその傾向はあったのだが、一般の人の持つカメラは少しずつ小さく、軽くなっているという印象を強く受けた。

 ケルンの会場には全世界のカメラ狂が集まるのだから、その中にはもの凄い写真装備をした人も混じる。大きなカメラバッグを背に、両肩に数台の1眼レフ式で長いレンズをつけたカメラをぶら下げた人もいるにはいる。しかし、このT-shirtに表された傾向ははっきりと見られるようになった。



 カメラ重装備で地面に屈むしかなかった人間が徐々に軽装備となり、ついにはミラーレス、交換レンズ可能のカメラ一つで真っすぐ立てるようになった!これを最新式 X-seriesメーカーのFujifilmが、言葉遊びで“Evolution to Revolution“としたのだ。原人からだんだん「発展」(evolution)して,直立人間となれたことは一つの大変革(revolution)なのである、というメッセージを伝えている。もっともこれは、この種のカメラを開発、販売する会社の宣伝であって、EVFのついた新型、新機能のカメラがどんなに便利になり、豊富な画像情報が得られ撮影リズムがスムーズとなっても、被写体の実像が得られるという理由で、やはり以前の1眼レフ形式を選ぶ人は絶えないだろう。これはもう気持の上の感情的なものである。

 反対に、ハンドバッグやポケットに入る小型デジカメの展示がほとんどなかったことに気づいた。置いてあっても関心が薄く、立ち止まる人がほとんどいないのだ。やはり軽量化、小型化がされても、ある程度の新技術をつぎ込んだシステムカメラでないと訴える力が弱いのだろう。

 今回もう一つ目についたこと。それはPhoto Shopに集まって来る若者の群れだった。不思議なことに彼らの手にはカメラがなく、その代わりに皆スマートフォーンを持っていることだった。それはスマホで写した写真をワイヤレスで送りフォートペーパーに焼く装置に惹かれて来た連中だった。どこも長蛇の列となっていたのはメッセ開催中プリント無料サービスを受けられることもあるだろうが、その関心の大きさに驚いた。

 デジカメの普及と反比例して、写真紙に焼き付けることが激減したのだが、今回のメッセで見る限り、そのペーパー需要も少しずつ挽回しているようだ。そのひとつがやはりFujifilmInstaxという製品だ。写してすぐに写真が出来るものとして以前はPolaroidがあったが(今もあるが)、Instaxはその系統の商品だ。最初メーカー側は売り上げ高をあまり期待していなかったようだが、市場に出したら若い層の反応が大きく、今では生産が間に合わないほどに売れているという。画質はあまり良くないし、そんな小サイズの写真をどう使うか疑問に思う私には訴えて来ないが、とにかくその製品ラインアップのバリエーションの豊かなことには驚かされる。

 同じくフォートペーパーの領域にとって良いニュースはフォートブックの普及だろう。従来、写真はフィルムで撮って店で現像・焼き付けしてもらい、そしてアルバムにはって保存、という過程であった。それがデジカメ時代では、データーをラボに送りそれをアルバム(フォートブック)に作ってもらう、ということに変わった。それでも最初は送るデーターを自分で選択・編集するという、手間と時間のかかる作業に泣かされたが、今では何百枚というデータから良いものを選択し(映りの良さ、構図の面白さ等から判断し)それを垢抜けたレイアウトにするまで、すべてを引き受けてくれるようになった。そしてペーパーの質と選択肢(艶あり・なし、シルク、パール等々)の良くなったこと!これは我々消費者にとってすばらしい福音ではある。


 メッセ最終日(921日)ともなるとディーラーの姿はほとんど見られなくなる。各ブースでポーズをとるモデルたちにも疲れが見られた。

2014年9月18日木曜日

裁ほう上手


 「針や糸なしでカバンや小物が作れます」というインターネット広告が目につきました。それは接着剤で知られるコニシ・ボンドの広告でした。
 
 私はこれまでミシンを使って女性スーツ、ワンピース、子供服、自分用のズボン、シャツを縫って来ましたが、時には鞄やリュクサック、ポーチ、その他の小物を縫うこともありました。それが、ミシンや針なしで…?興味を引かれたことは言うまでもありません。これは、ミシンや針糸なしで「裁ほう上手」という名の接着剤ボンドを使って貼って作るものであることが判りました。
             (引っ張り出した残りギレの数々)
 さっそく日本の妹にメールして取り寄せました。そして、この接着剤を使って出来る20種類ほどの作品を載せた「ボンドで貼って作るバッグとこもの」(朝倉史著)という本も合わせ送ってもらいました。
        (20種類のバッグ、こものの作り方を紹介している本)
 最初にチャレンジしてみたのが「ふた付きポーチ」です。妻が「i-Padを入れるのに作って欲しい」と所望したのです。出来上がりは縦18㎝、横22㎝でi-Padが入るはずでした。しかし初体験の作品で糊の付け過ぎがあったり、i-Padにマグネットつきカバーもすでに付いていたのできつすぎて入らず、これは失敗作となりました。2つ目は少々余裕を持たせたため、ちゃんと収まってくれました。

            (なんとか形になってくれた最初の作品集)
 次は、誕生日が近づいていた孫のため、「ファスナーポーチとペンケース」のセットを作りました。「ミシンだと面倒なファスナーつけも、貼るだけなのであっという間!」とありましたが、出来上がったペンケースのファスナーがどうしても開かないのです!どうやら接着剤が誤って入ったらしい。新しく作り直してやれやれ、これで失敗第2作となりました。ここまでで、最初の「裁ほう上手」17g入りは完全に空となりました!これはかなりの消費量(価格550円内外)になるな、と身構えました。

 追加の接着剤を送って、と依頼したら妹の方から「ストレッチ教室へ持って行く運動着、ペットボトル、靴などのためのマチ付きトートバッグを作って」という注文が入りました。内ポケットも付け、縦横のサイズもすべてテイラーメードとなります!上の本から似た例が見つかったので参考にしつつ作ったのが上のバッグです。布材は残り布箱をひっくり返し何とか見つけたものばかり、その結果おかしなパッチワーク状の作品となりました。マグネットホックは買い置きがあったのでそれを使いましたが、持ち手のためのカシメは家になし、そのまま貼付けましたが、重いものなど入れて使っているうちにはずれませんように、と祈るのみです。
        (45g入りの「裁ほう上手」チューブ10本が着いた!)
 再発注のチューブ入り「裁ほう上手」、以前と同じ17gと思っていたのに、送られて来たのは45g入り10本で驚き(価格も1850円ほど)!これだけあると、後何十種類は作れるな(貼れるな)と、喜んだり先が思いやられたり…。今回のトートバッグ終了後、45gの「裁ほう上手」もほぼ1/3か半分近く空になった感じで、やっぱり消費するボンドの量は馬鹿にならないようです。

               (マチ付きのトートバッグ)
 とにかく、上記の本の他にも「えっ!ボンドでバッグがつくれるの?!」(ムック、レディズブティックシリーズ)という本も出ているし、またコニシボンドのリンクにも「作ってみよう!レシピ集」が沢山載っているので、作るアイディアに困ることはないでしょう。しかし、これからしばらくの間ミシンはお蔵入りで「縫い物作業」は休止、「貼りもの作業」の日々が続きそうです

2014年9月11日木曜日

赤ワインの地アール河峡谷へ


 デュッセルドルフからケルン、ボン経由でアウトバーンを南下して西側に折れると、やがて(1時間と一寸で)アール河渓谷の地帯に入ります。ここはドイツのブドウ栽培地の一つであり、恐らくワイン用ブドウがこの国で栽培できる北限の地帯でしょう。ここはドイツでは珍しく赤ワインの産地として知られています。

 去る日曜日(7日)我々夫婦行きつけの理容・美容院の若い従業員さん3人を案内して、ブドウ山散策とワイン試飲・購入に出かけました。アール谷の「赤ワインハイキングコース」は全長85キロほどあります。我々の出発点はMayschoßの村で、そこから次のワイン村Rechまで平坦な道が、3キロほど山腹に沿って延びています。インターネットやパンフレットで宣伝されているところによれば、ここが全コース中で最高の景色をエンジョイ出来る人気の区間であるとのことです。

 教会の尖塔が聳える村を目の下に見つつ10時少し過ぎに出発した頃はうっすらと靄が出ていましたが、進むにつれそれが晴れ出し、急傾斜のブドウ山の絶景を心ゆくまで楽しむことが出来ました。人気スポットだけあって散策する人の数も多く、ほとんどの人が大股で足早に通り過ぎる中、我々は写真を撮りながら、のらりくらりとあちこち道草をくいつつ歩き、Rechの村が見えて来たときはもう正午近くになっていました。


 今回特に印象深かったのは、良く熟れた見事なブドウが重そうにぶらさがっている様子を観察出来たことでした。私がこれまでに見たドイツ各地のブドウ畑は数知れませんが、こんなに沢山の実が、それもいたるところに見られたのは初めてのことで、それだけに感銘深い散策となりました。

 Rech村に下る地点で、あるワイン醸造所の出店が机をおいて散策の人に試飲をすすめていました。我がグループの若者たちも一杯2€の赤ワインを試し飲みし「おいしい!おいしい!」の連発です。「うちは橋を渡ったところの最初の店ですので、そこでお求め下さい」とおばさんが熱心にすすめていました。

 村のレストランで昼食をした後、さっそくその店に立ち寄り待望のワイン購入です。ここでも何杯か試飲をしてやっと気に入ったものを見つけ、それぞれ何本か何箱かのワインを自動車に積み込み、最後の目的地に向かいました。


 その日最後に立ち寄った場所は12世紀に建てられたMarienthal修道院で、鮮やかに紅葉した蔦が下がる元チャペル(礼拝堂=廃墟となっている)の建物が長い歴史を物語っていました。現在はこの地方のワイン醸造組合が経営するカフェ、レストラン、ワイン販売店、土産物売り場になっており、多くの観光客が初秋ののどかな太陽の下で飲食や買い物を楽しんでいました。

2014年9月7日日曜日

秋のシャツを2枚


 春にはシャツを2枚縫った(521日のブログ参照)。その時ちょっと野心を起こして市販の型紙を使わず自分の身体の寸法を元に製図して作り、それを使って縫ってみた。上手く行ったとかなり自信を持っていたのだが、いざ腕を通してみると結果はあわれなもので、肩幅は数センチ足らず窮屈で、首回りは反対に空き過ぎでまとまりがなかった。どこに欠陥があったかが大体判ったので、その失敗を反省し、今回は古い型紙を改正しまた2枚縫ってみた。

 一枚目のは1m10€の安い生地を使った。幅は140㎝あるので私のサイズのために1.5m買えば十分である。明るい色ではあるが生地はかなり厚く、手触りも少々ごわごわする。これなら晩秋から冬にかけても着られるだろう。

 2枚目の生地は値段がほぼ2倍である上に、アメリカ製の布幅110㎝ほどしかないので2m買わなければ足りない。良い質の布は裁断でも縫い作業でも実に良い感触で仕事ができる。特に細かい作業が必要となる袖の短冊や、襟を作るいわゆる部分縫いが楽にできる。色が少々地味であるのでアクセントをつけるため、襟台、前立て(中側)、カフス裏を黒にした。このため別に黒のサージ布を1m買った。模様が斜めストライプであるので、特に前身頃の右左がうまく合うかどうか心配したが、これも何とか上手く治まってくれた。



 1枚のシャツを縫うためにかなり沢山のアイロンかけ作業が必要である。以前は普通のスチームアイロンを使っていたが、ある時スーパーの買い物ポイントがたまった時、Grundig製スチームボイラーつきアイロンを通常価格の半分で手に入れた。蒸気音やその他の雑音が少々うるさいが、高圧・高温のアイロンはやはり強力で大いに重宝している。