2014年9月11日木曜日

赤ワインの地アール河峡谷へ


 デュッセルドルフからケルン、ボン経由でアウトバーンを南下して西側に折れると、やがて(1時間と一寸で)アール河渓谷の地帯に入ります。ここはドイツのブドウ栽培地の一つであり、恐らくワイン用ブドウがこの国で栽培できる北限の地帯でしょう。ここはドイツでは珍しく赤ワインの産地として知られています。

 去る日曜日(7日)我々夫婦行きつけの理容・美容院の若い従業員さん3人を案内して、ブドウ山散策とワイン試飲・購入に出かけました。アール谷の「赤ワインハイキングコース」は全長85キロほどあります。我々の出発点はMayschoßの村で、そこから次のワイン村Rechまで平坦な道が、3キロほど山腹に沿って延びています。インターネットやパンフレットで宣伝されているところによれば、ここが全コース中で最高の景色をエンジョイ出来る人気の区間であるとのことです。

 教会の尖塔が聳える村を目の下に見つつ10時少し過ぎに出発した頃はうっすらと靄が出ていましたが、進むにつれそれが晴れ出し、急傾斜のブドウ山の絶景を心ゆくまで楽しむことが出来ました。人気スポットだけあって散策する人の数も多く、ほとんどの人が大股で足早に通り過ぎる中、我々は写真を撮りながら、のらりくらりとあちこち道草をくいつつ歩き、Rechの村が見えて来たときはもう正午近くになっていました。


 今回特に印象深かったのは、良く熟れた見事なブドウが重そうにぶらさがっている様子を観察出来たことでした。私がこれまでに見たドイツ各地のブドウ畑は数知れませんが、こんなに沢山の実が、それもいたるところに見られたのは初めてのことで、それだけに感銘深い散策となりました。

 Rech村に下る地点で、あるワイン醸造所の出店が机をおいて散策の人に試飲をすすめていました。我がグループの若者たちも一杯2€の赤ワインを試し飲みし「おいしい!おいしい!」の連発です。「うちは橋を渡ったところの最初の店ですので、そこでお求め下さい」とおばさんが熱心にすすめていました。

 村のレストランで昼食をした後、さっそくその店に立ち寄り待望のワイン購入です。ここでも何杯か試飲をしてやっと気に入ったものを見つけ、それぞれ何本か何箱かのワインを自動車に積み込み、最後の目的地に向かいました。


 その日最後に立ち寄った場所は12世紀に建てられたMarienthal修道院で、鮮やかに紅葉した蔦が下がる元チャペル(礼拝堂=廃墟となっている)の建物が長い歴史を物語っていました。現在はこの地方のワイン醸造組合が経営するカフェ、レストラン、ワイン販売店、土産物売り場になっており、多くの観光客が初秋ののどかな太陽の下で飲食や買い物を楽しんでいました。

4 件のコメント:

  1. 三千男さん。もう15年近く前、モーゼルへ連れて行ってもらった記憶が蘇り、思い出しています。帰途呑めない貴台が運転し、したたか試飲の奥方(行きの運転)が横にすわるというコンビを見せてもらいました。川の流れと、ブドウ畑の美しさにうっとりしました。この赤ワインの里も似た風景だなと感嘆しています。ワインの里で、呑まない貴台が一番お気に入りはどんなことでしょう。大阪の山さん

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    1. 山さん、そうですか!もう15年にもなりますか。我々もよく覚えています。そろそろ高校受験なさるお孫さんがまだ幼稚園児でしたね。月日の経つのは本当に早い!
      最近の運転は100%妻に任せています。今回もドライバーは彼女のみ、だから試飲会でも彼女は十分気をつけて舐めるくらいにしていました。下戸の私は試飲会のときは専らカメラマンです。ドイツのブドウ栽培地はどこも、それぞれ違った風景で本当に面白いです。

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  2. 大好きな安野光雅の世界そのものの中のピクニック羨ましき限りです。
    お酒の味を知らない私でもそんな中に身を置いたらチョッと味わってみたくなりそうです。

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    1. 安野光雅の名が出たので、久しぶりに彼の「ドイツの森」を開いて見ました。ほんと、ここによく似た風景がいくつか見つかりました。この本、絵もさることながらエッセーがしっかり書かれています。かなり丁寧に長く書いているので、もう一度じっくり読んでみます。ブドウ山は下戸でも十分楽しめます。でも試飲会だけは手持ち無沙汰、ワインの味について何も言えないので、隅っこにすわるだけ、その内に席をはずすのが常です。

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