Follow by Email

2014年2月28日金曜日

地下道の出口が…!


 昨年秋にはまだ、工事用のクレーンや掘り返した土などがゴタゴタ置かれていた我が日本人通り、Immermannstr.(インマーマン通り)の様相がガラリと変わっていました。以前の混乱状態については「四季折々のドイツ、2013926日、インマーマン通りの変貌」に詳しく書き、その後1119日にも写真を1枚掲載しましたのでご参照願います。それらがほとんど取り除かれ、今では大きな鉄パイプがその上に渡されています。底の方にはかなりの量の水が溜まっています。いよいよ本格的なトンネル工事が始まっているのです。

 地上のゴタゴタがなくなるとスッキリと視野が広がり、中央駅の方まで見通せそうです。反対側に回って駅を背にした場所から、工事の様子を見てみました。下の方に小型のクレーンを使って働いている労働者が数人いましたが、もうトンネルの出口が出来上がっているのが見られます。

 「いよいよですね。どの辺までがこの通りの地下トンネルの工事目的ですか」と現場の人に訊くと、「大体この辺りまでで、ここから先は従来ある通りにつながります」という返事でした。それはインマーマン薬局のあるほぼ10番地台の箇所です。「完成は?」の質問に対しては彼は肩をすくめるのみで、「神のみぞ知る!」とは言いませんでしたが、そんな雰囲気でした。

 そうしてみると、従来高架自動車道路だった「むかで橋」の、ベルリーナーアレーと分かれる最高ポイントからダラダラとインマーマンに下がってきたその部分が(100m弱か?)、今度はそのまますっぽり地下に移るということになります。とにかく不便さにイライラさせられている我々ドライバーたちにとっては、一日も早い完成が待ち遠しいことです。

2014年2月24日月曜日

クロッカスが出た!


 今月初めに行ったNordparkの公園は、その後の20日ほどの間にどんなに変わったか見るために、快晴の今朝日曜日にまた訪れました。


 真っ先に目についたのは紫、薄紫、黄、白等色とりどりのクロッカスが咲き始めたことです。3週間前いくら目を凝らして探しても一つの芽さえ見つけられなかったのに、今ではこんなにきれいに咲いています。公園の中だけではなく、ライン河沿いの草原も何千、何万本というクロッカスの絨毯となっており、それを見にでかけてきた散策の人の数も多く見かけました。


 暖冬の影響で樹々の芽、花も今年はサクラ、モクレン、白梅も競って咲いているようです。来週はまた気温が上がり10℃台以上が続くということですから、さらに開花する樹が増えるでしょう。


 クロッカスの間に可愛らしい白い花、雪待ち草(Schneeglöckchen)を見つけました。この花が群れて咲くので有名なのは近所のもう一つの公園Lanz´scher Parkの小高い丘です。Lanz家というのはこの町の実業家の家族で、この14ヘクタール余の公園もその一族のものでしたが家系が絶えたので、市が買い取り今では公園課が管理しています。

 雪待ち草丘の面白い点はそこに6本のボダイジュが円状に植えられていることです。これはこの公園を造ったJ.C.Weyhe(ヴァイエ)が、「これは私の作品だ」という証拠を後世に残すために植えた、芸術家、造園家としてのいわば署名(サイン)なのです。この町の中心のHofgartenにも彼の同じような署名の木(6本のボダイジュのサークル)が残っています。

 画家が自分の作品に署名するのはよく知られていますが、造園家もやっぱり後世に自分の名前を知らしめたいのですね。彫刻家はどうするのでしょう、作品の裏側にでも名前を彫るのでしょうか?鐘、木、石には款識(銘)や篆刻という印が刻まれます。それでは建築家は?建てたものに名前をつけて「◯◯ビル」とでも呼ばれればそれで満足なのでしょうか?

 村上春樹の最新の小説で主人公の多崎つくるが、自分の造った駅の一箇所、外からは見えないコンクリートの部分に自分の名前を彫り刻むという一節があったことを思い出しました。早い春の到来を知らせる公園の花のことから、ちょっと横道にそれたお話しになりましたが、平にお許し下さい。

 冬の気候は年により6週間の差異(ずれ)が現れることがあるそうです。今年の暖かい2月はもう4月ごろの様相を示していますが、去年はまったくその反対で、4月でも自然は冬の最中のようでした。とにかく今年は早い春の到来を大いにエンジョイ出来るのは幸いなことです。

2014年2月21日金曜日

多崎つくる(読後感)


 村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」がドイツ語に翻訳され販売が始まったのは19日でした。その1日前に出た週刊新聞"Die Zeit"の対談記事についてはこのブログで書きました(120日)。

 その後日本の妹から日本語版を送ってもらい、私もやっと読むことが出来ました。読後感は…?「彼のワースト3に入る駄作」というような書評を読んでいたので、どうしても偏見をもって読むことになりました。これはフェアな読み方ではありませんね。読み易いことは確かですが、それは文章の性格からであって、あるドイツの書評が言うような「息もつかせず終わりまで魅了させる本」というものではありませんでした。読後にすばらしい感激が残り、いろんな人にぜひ薦めたい、という感想は正直言ってもてませんでした。

 すべてがあまりに分からないまま残されているというのが一般的印象です。主人公多崎つくるが巡礼した結果心の安らぎを得られたのか、年上の恋人沙羅と結婚出来るのか、沙羅の付き合っている年配の男性は誰なのか、友人のアオもアカも今後仕事に成功するのだろうか、クロはフィンランドで幸せな家庭生活を続けられるのか、シロは誰になぜ殺されたのか、犯人はだれなのか、灰田はどこに行ってしまったのか…?あらゆる点がわからないまま物語が終わっています。それがシューリアリズム作家の村上春樹の手法だ、と言ってしまえばそれまでですが。書いた彼自身も「誰がシロ(ユズ)を殺害したのか、私も知りません」と対談で言っているから、多分それでいいのでしょう?

 しかし「一つの物語が読者をより良い人間にしないならば、書く価値はないだろう」と村上は対談の中で宣言しますが、読者の私が読後により良い人間になったのだろうか、それに良い人間の「良い」とはどんな意味においてか?そんな疑問が起こりました。

 村上の文章は外国語に翻訳し易い、という評をどこかで読んだことがあります。私も、確かにそう感じます(まだ数冊しか読んでいないので、そう言うのはおこがましいですが)。4章に「つくる」という名前の由来で漢字(作、創)のことが出てきますが、こんなところは翻訳者はどう取り扱うのだろうか、苦労するだろうな、と興味がわきました。ドイツ語訳を調べてみると、やはり原文からはなれた説明がしてありました。同音・同意で異字の場合(意味と発音は同じでも用いる漢字は違う、それによって与えられる印象も異なること)は多いですね。日本文学か日本学の専門家でしょう、訳者は「つくる」にはmachen(単に作る) erschaffen(創造する)の2語を区別して説明しています。

 さてドイツではこの本はどれくらい売れているのでしょうか、まだ統計は見ていませんが、DUMONT出版社(ケルン)は大々的に宣伝しています。町のあちこちに見られるこのLitfaßsäule(円筒型広告塔)にも、大きなポスターを見つけました。音楽会、美術・博物展、諸々の催し物の宣伝のために主に用いられる広告塔に、新刊書がこのように宣伝されるのは稀なことです。町でも「ムラカミを読んだ」という人はかなりの数です(若年層に多い)。この本が出版されムラカミファンはますます増えているかも知れません。

2014年2月16日日曜日

Kö-Bogenその後


 デュッセルドルフの町の真ん中、Hofgartenのすぐ前に新しいKö-Bogenの建物が完成し、専門店やカフェが新規営業を始めたことは、先年1119日のブログで報告しました。しかしその新装開店も、直前に起こった火事(放火?)のため東側だけであったこともお知らせしました。

 その後数ケ月して西側半分もやっと完成しました。これでKö-Bogen全体の建物がお目見えすることになりました。これを一番喜んでいるのは、そのすぐ西ににあるSteigenberger Hotelではないでしょうか。これまで何ヶ月、いや何年も目の前で工事のトラックやコンクリートミキサー、クレーンの騒音とほこりに悩まされ、玄関前の車寄せにもタクシーの進入が難しいほどの交通規制を受けて来たホテルですから、本当にホッとしていることでしょう。目の前にモダンで美しい建物とお堀の水を一望の元に見渡せることになり、これで市内の有名ホテルの中でも最高の立地に置かれることになったのは、今までの辛抱に報いてあまりあるものがあります。


 Bogenの表側には未だに路面電車が走っています。新建築物のため歩行者の数も今までより増えたので、電車ずっとスピードを落として走っていますが、地下鉄が完成するまで、この状態はしばらく続くでしょう。
 
 新い建物はLiebeskind Hausと呼ばれますが、これは設計者アメリカ人建築家Daniel Liebeskindに因んでつけられた名前です。表側もさることながら裏側のすばらしさに私は惹かれます。Hofgartenから引かれたお堀の水が、建物の模様に実に良くマッチしています。ホテルのすぐ前の広場にはキネティック芸術家として有名なGünther Ueckerの釘のオブジェが目を引きます。釘は国内いたるところで目につく、彼の得意とするテーマなのです。


 新商店はやはり高級専門店が多く、ポルシェデザインを初めファッション店、新車か家一軒が買えそう値段のついた時計や宝石を並べる店等、ちょっと入るのが躊躇(ためら)われます。そんな中、週末は言うに及ばず平日でも常に客が溢れているのはアップルショップです。表から裏へそのまま通り抜けられる、数百平米の平凡な平場の店ですが、凄い活気に満ちています。それは至るところで顧客に話しかけ、要望を尋ねる沢山の数の従業員の態度が印象的だからです。新しいPCを買う人は言うに及ばず、i-Phon,i-Padその他の問題を抱えた人がひっきりなしにやってきて質問をしていますが、どの従業員も専門知識豊かで、親身になって相談に乗ってくれるのが嬉しいです。この店は必ずやKö-Bogenの人気店となることでしょう。



2014年2月7日金曜日

寒中に咲く花々


 暖冬です。2月に入って日が長くなってきましたが、気温は未だに温暖で、今朝は13℃もあります。天候の方はもう一つで、雨がよく降ります。でも時折明るい太陽も顔を出すので、そんな時は散歩に出かけるようにしています。

 快晴の朝、久しぶりに近所の公園Nordparkに行きました。冬の太陽は低い位置にあるので、まともに目に入りまぶしいこと!公園には常緑樹が多いし、芝生は年中緑で(日本のように冬でも枯れて茶色くなることはありません)、グリーンの中を散歩するのは本当に良い気持ちです。

 しかし季節はまだ冬、こんな寒中に咲く花はないだろう、と思いましたが、気をつけて探すと少しは見つかりました。先ず彩りも目に鮮やかなのは「オウバイ」(漢字は黄梅でしょうね)です。ドイツ語ではWinter-Jasmin(冬のジャスミン)と言いますが、日本名のバイは梅の花に似ていることからつけられたのでしょう。レンギョウに似た花ですね。

 次に見つけたのは白い可愛らしい花Sternhyazynthe(星のヒヤシンス=チオノドクサ)です。耐寒性の球根高山植物らしいです。チオンドクサは和名のようですが実は学術名で「chion雪の doxa輝き」という意味だそうです。花の姿にふさわしい名称だと思います。

 これはきっとあるだろう、と思ったら案の定見つかりました。Christroseクリスマスローズというキンポウゲ科の花で、寒い季節でも元気に咲き、色は白や紫をしています。5

 最近の異常な温かさに誘われて狂い咲き(?)したのか、桜の花を見つけました!梅の種類かと思いましたが、働いていた公園課の職員さんに訊いたら、やはりサクラだ、と。どの種類かは彼も知りませんでしたが…。

 花ではないけど、青空を背景に輝くような赤い新葉を出していたのはRot-Ahorn (red-maple、アカカエデ)の木です。これから日ごとに大きく美しく伸びて行くことでしょう。

 寒空の下、公園内で今一番鮮やかなのはErika(英名ヒース)です。私たちは8月末にはヒースの丘を訪ね、国境を越えオランダまでハイキングに行くのですが、時期を失すると丘全体が茶色に色褪せ落胆することがあります。700種もあるというエリカ、ここの花は耐寒性のものでしょうか、今の時期でも枯れることなくこんなに華やかに咲いて、来訪者の目を楽しませてくれます。

 2月に入って市の公園課の職員さんが働く姿があちこちに見られるようになりました。氷で凍てついた土地に鍬をいれ、種まき、苗付け、球根植えと、春の花の最盛期を控え、これから忙しくなることでしょう。