2014年2月24日月曜日

クロッカスが出た!


 今月初めに行ったNordparkの公園は、その後の20日ほどの間にどんなに変わったか見るために、快晴の今朝日曜日にまた訪れました。


 真っ先に目についたのは紫、薄紫、黄、白等色とりどりのクロッカスが咲き始めたことです。3週間前いくら目を凝らして探しても一つの芽さえ見つけられなかったのに、今ではこんなにきれいに咲いています。公園の中だけではなく、ライン河沿いの草原も何千、何万本というクロッカスの絨毯となっており、それを見にでかけてきた散策の人の数も多く見かけました。


 暖冬の影響で樹々の芽、花も今年はサクラ、モクレン、白梅も競って咲いているようです。来週はまた気温が上がり10℃台以上が続くということですから、さらに開花する樹が増えるでしょう。


 クロッカスの間に可愛らしい白い花、雪待ち草(Schneeglöckchen)を見つけました。この花が群れて咲くので有名なのは近所のもう一つの公園Lanz´scher Parkの小高い丘です。Lanz家というのはこの町の実業家の家族で、この14ヘクタール余の公園もその一族のものでしたが家系が絶えたので、市が買い取り今では公園課が管理しています。

 雪待ち草丘の面白い点はそこに6本のボダイジュが円状に植えられていることです。これはこの公園を造ったJ.C.Weyhe(ヴァイエ)が、「これは私の作品だ」という証拠を後世に残すために植えた、芸術家、造園家としてのいわば署名(サイン)なのです。この町の中心のHofgartenにも彼の同じような署名の木(6本のボダイジュのサークル)が残っています。

 画家が自分の作品に署名するのはよく知られていますが、造園家もやっぱり後世に自分の名前を知らしめたいのですね。彫刻家はどうするのでしょう、作品の裏側にでも名前を彫るのでしょうか?鐘、木、石には款識(銘)や篆刻という印が刻まれます。それでは建築家は?建てたものに名前をつけて「◯◯ビル」とでも呼ばれればそれで満足なのでしょうか?

 村上春樹の最新の小説で主人公の多崎つくるが、自分の造った駅の一箇所、外からは見えないコンクリートの部分に自分の名前を彫り刻むという一節があったことを思い出しました。早い春の到来を知らせる公園の花のことから、ちょっと横道にそれたお話しになりましたが、平にお許し下さい。

 冬の気候は年により6週間の差異(ずれ)が現れることがあるそうです。今年の暖かい2月はもう4月ごろの様相を示していますが、去年はまったくその反対で、4月でも自然は冬の最中のようでした。とにかく今年は早い春の到来を大いにエンジョイ出来るのは幸いなことです。

2 件のコメント:

  1. 三千男さん。春らしくなりましたね。暖冬とは言え、春の息吹は相当先だと思っていました。今は気温とか、咲く花は日本とほとんど一緒ですね。朝夕も同じような感じでしょうか。日本では大雪被害の地方と、春の訪れを迎えている地方で大差があるのですが、ドイツではいかが?大阪の山さん

    返信削除
    返信
    1. ほんと、連日信じられないほどの快晴と高温が続いています。しかしドイツの天候のことゆえ、いつどうなるか分かりません。イースターの頃に大雪になることさえ屢々でしたから。でも、今は有難く、春先みたいなマイルドな天気を楽しませてもらいます。

      削除