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2011年10月25日火曜日

秋休み、孫たちの訪問



 この州では今「秋休み」(Herbstferien)で学校が2週間お休みです。数週間前に新学期、新学年が始まったばかりなのに、この時期になぜまたお休みが?という疑問がわきますね。調べてみると、なるほど!南ドイツではこの休みは別名「ジャガイモ休み」と呼ぶことがわかりました。農家では今ジャガイモの収穫時期なのです。猫の手も借りたい忙しい時、学齢期の子供たちに手伝いをさせるため休暇を与える、というのがそもそもの起源だそうです。

 うちの孫たちも上の2人の小学生は、農繁期の手伝いはしないのに、晴れてお休みをいただいています。ママもギムナジウムの先生なのでやはり休暇をもらいホッと一息ついています。手伝いには小さすぎる一番下の幼稚園児にはこのお休みはなし!

 そんなわけで、久しぶりに(おじいちゃんち)へ週末泊まりに行きたい、と電話がありました。孫たちの訪問は嬉しいのですが…。両親も含め食事、宿泊、その他のプログラムを作るのはやはり大変です!

 先ず食事。今回は大人のためには市販のルーを買って来て、後はタマネギ、人参、ジャガイモを入れ手っ取り早くビーフカレーをつくりました。辛いカレーが苦手な小さい子供たちのためには、おじいちゃんはジャガイモの特製お焼きを作りました。ジャガイモを摺り、それに醤油と酒で下味をつけたひき肉、チーズ、カレー粉を混ぜ合わせ塩味にして、カリッと焼き上げました。おいしい!それにケチャップやマヨネーズをつけて孫たちは全部平らげてくれました。あとは市販の太巻き、細巻きのお寿司で立派な夕食になりました。そうそう、珍しいと思い日本古来の?「ラムネ」も3本買いました。それを開けるところから、ビー玉が中でカラカラなるところまで、すべてが初体験。味はどうってことはないのに、ずいぶんと受けました!

 次は宿泊ですが、これも大変!折りたたみ式ダブルベッドに4歳、6歳、8歳の3人を一緒に寝かせます。今はそれで良いけど、もう少し大きななったら!別の解決法を探さなければならないでしょう。親たちは、最近新しく買ったこの大きなソファー(大人が78人座れる)で十分というので、そこで寝てもらいました。でなければ、エアーマットに空気を入れて、居間に敷いて…となったことでしょう。

 エンターテーメントはDVDTVプログラムを見るだけで十分。彼らは番組の時間帯などよく知っていて驚きます。面白いことに、子供用のニュース番組もあるのですね!これは言葉や表現も易しいし、ドイツ語学習の初心者の皆さんにお勧めしたい良い番組です。

 
 翌日大きい子供2人はママと靴や洋服のショッピングに出かけたので、小さいユリアをライン河の散歩に連れ出しました。空気は冷たかったけど快晴の秋晴れで、沢山の輸送船が上り下りしており、楽しいひと時でした。彼女の来ているパッチワークのコート!思い出しました。長女のハンナのために45年前に最小サイズ86で私が縫ったものです。ユリアにはまだ少し大きく、袖も長いようですが十分着られます(パッチワークの仕上がりも立派なことを再認識した次第。自画自賛だ!)。お下がりが3人目にまでわたって着られているのを知って嬉しく思いました。

 最後の日、帰る前に全員が我が家のプールで一泳ぎ。特に最近Seepferdchen(タツノオトシゴ)という、25m水泳のテストにパスしたマレーネは、その成果をどうしても見せたかったのです。

(今週末から2週間ほど日本旅行をしてきますので、この「四季折々のドイツ」は来月半ばまでお休みをいただきます。)


2011年10月11日火曜日

ベルリンの「葛飾北斎展」



 先週末久しぶりに首都ベルリンへ行って来ました。主な目的は「北斎展」を見るためです。この展覧会は日独交流150周年記念として、Martin-Gropius-Bau826日から1024日まで10週間にわたって開かれているものです。この美術館は、ベルリン中央駅のあるポツダム広場から徒歩10数分の便利な所にあり、週末のこの辺りは、午前中から徒歩や市内観光バスで見物をする人々で混雑しています。美術館内もすでに切符売り場の前には長い列が出来ていました。

 会場の中は、一つ一つの絵をゆっくり見られないほどの込みようです(会場内は展示品を傷めるので写真禁止、その様子は残念ながらご覧いただけません)。展示されている絵は全部で440点ほど、中には初めて日本国外へ出されたものもあります。生涯に何度もその名を変えたこの江戸末期の画家の作品は、春朗、宗理、北斎、載斗等いくつかの部屋に分けてあり、時代によってその作風が変わる様がよく分ります。

 なんと言っても圧巻は、為一(いいつ)時代に描いた富嶽三十七景で、そのほとんどすべてが一つの部屋に収められており、ここでゆっくり足を止める人が多くなります。その中には余りにも有名な凱風快晴(赤富士)、神奈川沖浪裏、尾州不二見原等がありますが、日本でも見たことのないこれらの傑作の現物を外国で初めて見るという我が身の経験を面白いと思い、また幸運なことだと感謝しました(何年か前に歌舞伎なるものも初めてドイツで見ました!)。

 90歳近くまで生きた一生で3万点以上を描いた北斎の画題の多いのに驚かされます。風景画、人物画、静物画、動植物画はもとより、物語の挿絵、教本(絵の描き方の本)のほかユーモアに富む北斎漫画の部屋も人気の的のようでした。画題の多様さだけではなく、西洋画法の遠近法(透視画法)など彼が学び自分の作品に用いたテクニックの斬新さにも驚かされます。神奈川沖浪裏は、なにか超スロービデオを見るような気さえします。超速シャッタースピードで撮った止まっている写真ではなく、波の一粒一粒がまるで次の瞬間動き出しそうで、波にのまれそうな船の中の人間の叫ぶ声まで聞こえてくるようです。北斎は西洋の印象派の画家(ゴッホ、マネ、ドガ)や音楽家(ドビュッシー)に大きな影響を与えたとも言われています。

 展覧会最後の部屋では、北斎やその他の江戸の浮世絵画家を有名にした版画作成を説明する映画(30)を見せており、ここも終始満員で席を見つけるのが難しいほどでした。元絵を描く画家(絵師)はもちろん重要ですが、その絵を元に木版に彫る彫り師、そしてそれに色を付け刷る刷り師の役目の大切さもよく理解出来ました。そしてその伝統的技術が今の時代にも着実に引き継がれ、我々の良く知っている存命中の有名画家たちも作品に用いていることを学びました。週末の2日間ずっと美術館通いで、ベルリンの他の場所を訪れたり買い物をする時間はほとんどありませんでしたが、随分と意義のある充実した時間が過ごせたと喜んでいます。

2011年10月6日木曜日

カボチャの季節


 去る日曜日、久しぶりに隣町Ratingenまで車で出かけ、そこの森でノルディックウオーキングを兼ねてしばらく散策をして来ました。10月に入ったこの頃はやはり、森には少しずつ秋の気配が漂い始めていました。

 その帰り道、日曜日でも開いている村のビオショップに立ち寄りました。ドイツには店舗閉店時間法(Ladenschlussgesetz)という法律があり、日曜日に店を開くことは許されません。以前は平日でも午後6時半、土曜日は2時半閉店と厳しく決められており、そのため働いている人の買い物時間が限られ苦労しました。それが最近ではずっと緩くなって、夜10時まで買い物ができるようになりました。しかし日曜日は未だに厳しく、通常は許されず年に何度か特別な日曜日だけ店を開くことが許される、という状態です。

 しかし上のショップは毎日曜開かれており、これは町から特別営業許可を得ているのでしょう。とにかくここは、日曜日にドライブを兼ね買い物に来る客で賑わっています。その店の前にあるビニールハウスで見つけたものは…!

 今まで一カ所でこれほど沢山のカボチャを見たことはありませんでした。色といい形といい、カボチャもこれだけ集まると見事です。とてもカボチャには見えないものもあり、驚きの連続です。しかし意外なことに、これだけある中で「食用カボチャ」(Speisekürbis)の棚には小型の赤っぽいカボチャ(Hokkaidoという名前がついている!)が少し乗っているだけです。あとは飾りのためのものなのでしょうか。 普通のスーパーに並ぶカボチャの数も大したことはないし、ドイツ人はあまりカボチャを食べないのではないか、という印象を受けます。それでも今朝中央駅の書店で見かけた1冊の本には“Kürbis & Co.“(カボチャとその仲間)という題がついていましたが、内容はパンプキンパイをはじめ、カボチャを使ったお菓子ケーキの作り方が多いようで、結局買いませんでした。

 カボチャの食べ方には、煮る、焼く、油で炒める、スープにする、菓子やパンに入れたりトッピングに使う、油を採る、種も乾燥させスナックとする等々、いろいろあります。食用だけでなく、薬にもなるし、家畜の飼料にもなります。中味をくりぬいた飾りもののカボチャ、ハロウイーン祭のジャック•オ•ランタンは有名です。

 先日「ホッカイドー」を175セント(安い!でもディスカウント店での話。上のショップでは1kg=1.5ユーロとなっていました)ほどで買って煮付けてみました。包丁で切るのも難しいほど皮は硬いですが、鍋に落としぶたをしてしばらく煮るだけで、この硬い皮も柔らかくなります。煮れば煮るほど甘さが増して来る、このおいしさと料理の仕方をドイツ人に教えたいものだ、と思いました。

2011年10月3日月曜日

Altweibersommer その2


 わずか2日前に書いたのですが、さらにドイツ語版のWikipediaAltweibersommerの項を読んでみると中々面白そうなので、もう一度続編を書こうという気になりました。またその欄に載っている「野草の生える草原のAltweibersommer」という写真を見た時、これはどこかで良く見かけた光景だ、と気づきました。そうそう、我が家から自転車で数分のところにあるNordparkの中、見本市会場寄りの灌木の中だった、と思い出したのです。それでまたカメラを携え行って見ると…。やっぱりありました!

 満開の季節を少し過ぎたエリカの原の中に、沢山のクモの巣がかかっているのを発見しました。Wikipediaの写真とそっくりな光景です。ここで早速接写セッティングにして何枚か撮りました。さてその後はクモが空中に張って、それを伝ってスイスイと動く「クモの糸」はないものか、と探しましたが、残念ながら公園の中ではとうとう見つかりませんでした。

 それがなんと、「灯台下暗し」とはこのことで、我が家のバルコニーから芝生の庭を見ると、夕日を背景にしてサーカスのロープのような一本のクモの糸が目に入ったのです!夕暮れの逆光線でよく光ってはいるのですが、果たして写真に撮れるだろうか?と心配しながら何枚も撮ったものの内マシなものをお目にかけましょう。

 黒っぽい木を背景にしてクモの糸は神秘的に輝いていました。古い民間信仰では、このような「クモの糸」は、妖精、小人、イルネ(北欧神話の女神)、また聖母マリアが撚った糸である、と信じていたのもよくうなずけます。

 気象関係の統計を見ると、やはり9月後半にこのような、気温がかなり高くなり乾燥した上天気がしばらく続くことが多い、すなわちAltweibersommerは頻度の高い現象であるということがわかります。それで、全世界で有名な、現在ミュンヘンで開催中のオクトーバーフェスト(10月祭り)も、従来10月に入ってから始めていたのが、最近では9月の後半から開始している理由がわかりました。天候が崩れる10月後半は避け、天気に恵まれる9月半ばから始めて人々に楽しんでもらおう、ひいては良い売り上げを目指そうという、開催者側のビジネス上の魂胆が見られます。

2011年10月1日土曜日

小春日和(Altweibersommer)


 ドイツではこのところすばらしい快晴、秋晴れの天気が続いています。今これを書いている9月30日午後6時で気温は26度もあり、さっき自転車で買い物に出かけたら汗ばんだほどの暖かさです。ラジオもテレビも「このところAltweibersommerが続いており、この好天気はまだしばらく続くことでしょう」という天気予報官の報道が続いています。

 Altweibersommerとは?この言葉からすぐに連想されるのは、カーニバルの季節女性たちが無礼講で暴れ回る、あの「灰の水曜日の前週の木曜日」(Altweiberfastnacht)です。Altweiber(年とった女たち?)という前綴りもまったく同じです。そこでいろいろ想像をたくましくして「女性のように、気まぐれに暖かくなり、またすぐ変わる天候を言うのかな」なんて失礼なことを考えていました。

 しかし、権威ある独独辞典を調べてみたら、こんなことが書いてありました。それによると「晩夏に風に吹かれるクモの(巣の)糸」ということです!そうすると、あるドイツ人の知人が説明してくれたように、Weiberは女性とは関係なくweben(布を織る、蜘蛛などが糸をだして巣を張る)という語につながると見て良いでしょうか。蜘蛛が本能から「今巣を張っても大丈夫、雨で壊されることはない。この上天気はしばらく続くから」と安心出来るような晩夏(もう秋たけなわですが)の天候がAltweibersommerなのでしょう。小学館の「独和大辞典」には「(秋になってからのうららかな)小春日和」とか「《単数で》(晴れた秋空にただよう)クモの糸」という説明があります。

 「ドイツでは短い夏の後にはすぐに暗く寒い冬が来ますよ」、と言われて心配していた、今年ドイツへ来た新人たちは、このところの予想外の上天気に「ドイツの秋って毎年こんなにすばらしいのですか!」と驚いたり喜んだり。雲一つない真っ青な空の下、今日の午後カメラを下げて公園やら河畔に行ったら、草の上に寝て日光浴をする人を沢山見かけました。テレビのニュースでは、今の季節では珍しい各地の海岸で水泳、サーフィンを楽しむ人々の姿を写し、「今まで失ったものを取り返すチャンスだ」とばかりに7月8月の悪天候で海岸の店を閉めた人たちがまた商売を再開しています。

 家庭菜園では秋のシンボルとも言うべき白いススキが太陽の光を受け輝いていました。明日から新しい月10月が始まりますが、天気予報は引き続き「雲なしの快晴、週末は28度まで気温上昇」と各地の上天気を約束してくれています。しかしそれもしばらくのことでしょう、日が短くなり、寒く暗い季節が到来するまで、今のうちに大いにこの明るさと暖かさを楽しみたいと思います。