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2011年9月26日月曜日

行列のできる店

 
 日本ではオフィス街のお昼時に、レストランの前に順番を待つ人の長い行列ができることはまれではありません。また評判の店先は驚くほどの長蛇の列となり、「待ち時間30分−1時間」という立て札まで出ますね。私も新宿のドーナツ屋さんでそんな光景を目にしたことがあります。

 ドイツ語にSchlangeという語があり、元来の意味は「蛇」ですが、日本語と同じように「長蛇の列を作る」という意味にも用いられます。ここデュッセルドルフの町では、食べ物屋の店やレストランの前で順番待ちの列ができることはほとんどありませんが、私の知っている限りでは、Altstadt(旧市街)に2軒だけそんな店があります。一つはオランダ系のpommes frites(フライドポテト)の店と、もう一つはイタリア系アイスクリーム屋Pia Eisですが、開店している時は必ず1020人が並んでいます。これはいずれも味がおいしい上にすごいボリュームサービスの店ですが、どちらも店頭で買ったら「お持ち帰り」をする店です。

 ちゃんと中に座って食べるレストランで列のできるのは2軒、「丸安」と「なにわ」で、どちらも日本レストランです。「丸安」はお寿司専門ですが、寿司職人が握るのではなく、自社の工場でロボットが握り、セロファンに包んだものを店に並べて売ります。これがドイツ人にうけて終日お客の列が絶えません。平日でもお昼時には、立派な背広やスーツのサラリーマン、ウーマンが我先にと押し掛けます。この店のあるシャドーアルカーデンのショッピングモール地下では、他の食べ物屋の前には客がちらほらいるだけの時にも、「丸安」前だけは客でごった返しています。

 もう1軒はラーメンと中華料理の「なにわ」で、ここは待たずに入れることはまず絶対ない店です。店内はカウンターとテーブルを合わせて20数人も入れば一杯となりますが、店の外には「待ちベンチ」が置かれ、店内と同じくらいの数の客がいつも待っています。この「待ちベンチ」には工夫がしてあり、寒い冬には下にパイプで暖かい空気を通し、客のお尻を快適に温めてくれます。驚くべきことに、そんな「待ち」に慣れていないドイツ人客(全体の7-8割を占める)までが不平も言わず根気よく、ある時には半時間も待っています。安い値段でボリュームたっぷり、そして味も天下一品とくれば、それだけ待つ価値のある店だ、と皆が認めているからです。待っている間にウエートレスが外まで来て、メニューを配り予め注文を取り、順番が来て中に入ればすぐに料理が運ばれる、というサービスの良さも評判を取っています。

 店長のKさんは近々隣の店が空くのでそちらへ拡張したい、と言っていますが、店内の収容力が倍加すると有名な「待ちベンチ」が寂れ(?!)宣伝効果も薄れる恐れがあるのでは、と心配しています。路面電車の乗客も街を行く通行人も、この列を見て「一体なにを待っているのだろう?」と皆不審がり、理由が判ると「そんなレストランならおいしいに違いない、私も一度入ってみよう」とやって来る人が多いからです。

2011年9月23日金曜日

地下鉄工事 2



 2週間ほど前(7日)にデュッセルドルフ新地下鉄路線の工事状態につきブログを書きましたが、中央点から東半分だったので、これでは片手落ち、もう半分も見て来ようとカメラ片手に西へ向かいました。

 先ず知りたかったことは、Jan-Wellem-Platzの中央点から西方向への従来線は二つに分かれ単線となっているため、西行き東行きどちらの通りが新地下鉄線になるか、ということでした。これはAltstadt(旧市街)に入ったら 旧市街に近い方の通り、すなわち西行きがそれであることがすぐに判りました。

 旧市街に沿っての数百メートルの工事現場のひどいこと!路面電車の線路幅だけ残し両側で仕事が行われるため、その狭さといったら!電車、自家用車、トラック、そして路線バスが、狭いスペースを我勝ちにと通り抜けます。

 次の主要駅はGraf-Adolf-Platz。ここは工事が一時停止なのかクレーンは確かに動いているのに騒音が全く耳に入りません。しかし、 工事現場からの埃(?)で汚されるのを防ぐためか 最近出来た高層ビルにすっぽりグリーンの網が被せられていたのには驚きました。

 さらに数百メートル行くと聖ペトロ寺院の建つKirchplatzに着きます。ここも交通量が多く大変な状態です。 交差点がありますがのこっているのは1車線のみ、自動車は常に長蛇の列をなし、写真を撮っている間にも苛立ったドライバーのクラクションが何度も耳に入りました。

 最後は終点のBirker Bahnhofです。この辺りは最近大きなショッピングモールや市立図書館の立派な建物が出来すっきりした区画となったな、と喜んでいたのですが、今度の工事のため、かなりごった返しになっていました。

 東端の終着駅Wehrhahnとは対照的にここの工事は随分と進んでいます。ここから索道(トンネル)工事が始まっているらしく、その入り口にはGlück Aufという表示板がついています。これは元来炭坑に入る労働者の「無事を祈る」という挨拶の言葉です。こうして見ると、やはり地下ではボーリング機械を使ってトンネル掘り工事が進行中のようです。市のオフィシャルホームページに「ここラインの州都(デュッセルドルフのこと)の地下で削岩機が動いている一方、地上ではすべての日常生活が妨げられることなく営まれています」と書いてありますが、これはどうでしょう?混沌と雑音に満ちたこれほどの地上の工事現場を見ると、市の宣伝文句はかなり誇張されている、と思いますが…。 

2011年9月11日日曜日

ピッカピカの1年生

 ドイツの学制では、新学年が夏休み後の秋から始まります。と言っても毎年夏休み期間は、休暇時の交通混雑/渋滞を避けるため、州毎に交互に早くしたり遅くしたりして調整するので、新学期も8月中に始まることがあります。今年この州では開始が、一番通常的な9月初めとなりました。

 私の2番目の孫娘マレーネが今年1年生になり、去る98日(木)に入学式がありました。彼女の住まいはBielefeldDornberg地区にあり、今年の新入生は総勢40人ほどです。私自身の2人の娘たちの入学式はもう30年ほども前のことになりますが、その当時いろいろな都合でどちらの入学式にも出席出来ませんでした。そして2年前一番上の孫娘ハンナの時は、計画していたのに体調すぐれず、これまた欠席したのです。それで今回が私にとってドイツにおける最初の入学式体験となったわけです。

 その日は先ず地区の教会で8時過ぎから、新入生のための礼拝でもって始まりました。これは「超教派(エキュメニカルといいます)」ということで、キリスト教の新/旧(プロテスタント、カトリック)両派の牧師、神父の司式による礼拝が執り行われました。会衆の皆が折り紙の船をもらい、牧師さんが「イエス様がお弟子といっしょに船で湖を渡っていた時、突然嵐がやって来て、船が沈みそうになり弟子たちは怖がりました。その時イエス様は『恐れることはない、私がいっしょにいるから』と弟子たちを励まされました。みんなもこれから新しい学校生活で嵐のような不安な日があるかもしれない。でも神様がついて守って下さるので安心なさい」という説教をされ、全員頭に手をおいて祝福を受けました。

 礼拝の後はいよいよ登校です。この日新入生は両親から例外なくSchultüteという円錐形の筒をプレゼントにもらいます。この筒にはお菓子やらその他の小さなプレゼントがいっぱい詰まっています。

 担任の先生に名札をつけてもらって体育館に入ると、上級生たちによる新入生歓迎会のプログラムが始まりました。音楽あり、ダンスあり、スライドショーありで、学校あげて良く準備計画されていました。40人の新入生ですが、その両親、そして祖父母も出て来たので、子供より大人の数の方がずっと多くなりました!その後、自分たちのクラス(1A組と1B組に分かれ)での初めての授業です。父兄たちは部屋に入れず、ほかの部屋でコーヒーとケーキの歓待を受けていたので、教室では何が行われたのか分りません。

 さあ次の日から、本当の(もうSchultüteなしの)小学生生活が始まります。誰もが一緒に勉強するGrundschule(基礎課程)はこれから4年間だけ、5年目に達するとドイツではGymnasium9年制中等教育)、Realschule(6年制の実業学校)、そしてそれ以外の生徒のための 義務教育課程である5年制のHauptschule3つに分かれ、それぞれ人生の目的を目指して、自分に合った学校に進むことになります。

2011年9月7日水曜日

新地下鉄工事現場

 数年前までデュッセルドルフに住んでいて日本に帰られた方が、今日またこの町に来て中心部をご覧になられたら、「これがあのショッピング通りSchadowstraßeなの?路面電車の集合拠点のJan Wellem Platzがこんな風になっているの!」と、町の中心部の様変わりにびっくりなさることでしょう。

 それは、2007年に始まった新地下鉄Wehrhahn路線の工事のためなのです。現在路面電車が走っているBilk地区からWehrhan地区までの数Kmを廃止し、すべて地下に移そうという計画で、完成は2014年を目指す7年間にわたる大きな工事が進行中なのです。

 これが完成すると終発着の2駅のBilk とWehrhahnは地上に設置されますが、その間の6駅が地下にもぐります。そして1日に53000人の人間がこの線を利用することになるので、市全体の約10分の1の市民が恩恵を被ることになります。総経費はなんと65000万ユーロですが、現在の円高で大体1ユーロ=100円なので100倍にして換算すると650億円となりますか。これを市、州、国が分割負担するのですが、全路線3.4Kmでこの費用は、ちょっと膨大すぎるのではないでしょうか?

 今日新路線の中央点に当たるJan Wellem Platzから、東端の駅Wehrhahnまでカメラを下げて歩き、工事現場の写真を撮ってきました。地下鉄工事といってもトンネルを掘って地下で働くわけではなく、すべてが白日のもとで行われているので、通行人の誰でも良く観察出来ます。電車が自動車が、また歩行者が日々使っている通りや道路でクレーンや大型機械を使い削岩、掘り返しの作業がなされているため、その騒音と不便さは大変なものです。周辺の商店の売り上げにも大いに影響し、この工事が始まってから、私の知る限り数軒が閉店·廃業しました。その中には私の好きなミシンと高級生地の店も含まれているので、少々腹立たしい思いをしました。

 路上からノロノロ走る電車が消えると、自動車交通はきっとスムーズになるでしょう。それにHofgartenに続くJan Wellem Platzがすべて緑化地帯となれば、町の美化にも繋がることでしょう。それを楽しみに、我々市民はしばらくの不便さ、不愉快さを辛抱しなければならないと思います。