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2015年9月29日火曜日

エコトープとは?


 「都会の住民に緑を!」というモットーで始まったのが19世紀初頭のシュレーバーガルテン(Kleingarten小家庭菜園)のプロジェクトであり、そのドイツにおける歴史・発展・普及等については当ブログでも何度か紹介した。

 同じような目的で最近各地に起こっているプロジェクトが当市にもある,と聞いて先日出かけてみた。その名は「エコトープ」(Ökotop,英Ecotope)という。Kleingartenでは各ユニットが平均300平米の区画に整然と用意され、そこには有用植物や野菜、花が植えられている。さらに小さなヒュッテが備えられ人はそこで野菜栽培をしながらお茶をし週末の一時を楽しむのだが、エコトープの場合その外観がかなり違っている。









 デュッセルドルフ,ヘアト地区には雑木林と雑草の生える野原16ヘクタール(160,000平米)があり、そこはアウトバーンに向かう車や近辺の工場からの騒音と排ガスに悩まされる場所だった。1986年以来ここをエコトープのプロジェクト地区にしたいとボランティアが集まり働き始め、市の公園課もこれを援助している。









 そもそもエコトープとはギリシャ語のオイコス(家)と トポス(場所)を合わせた語であるが、ドイツ語でも英語でもそれをエコの場所,即ち「生態系促進の場」としていることは意義深い。最近日本でも盛んに言われるエコロジー(生態学)という語の意味は、生物(動植物)の環境に対する関係を研究する学問である。









 或る晴れた日自転車に乗ってエコトープまで走った。家庭菜園を飾る花も樹木もなく、何か荒野に足を踏み入れた感じがする。自分の領域を主張するようなヒュッテや花の咲き乱れる庭もなく、周囲はかなり荒れたままになっている。至る所に大きなコンポストの箱が作られて、短く切り揃えた薪の山もある。天気の良い午後、咲き乱れる美しい花々や樹木に鈴なりに生る果物を愛(め)でるためにここに来ても落胆するだろう。

 







 少し歩き回ると生態学に基づいて専門家の助言を受けつつ、 特別な植物のための土壌作りとか、ある種の昆虫の成長を促すための設備とか、多くのプロジェクトが行われていることが判る。例を23挙げると…。

 






 (1)水はけを良くする砂や砂利の多い地盤を用意し,手間をかけず簡単に育つ植物を育て,多くの種類の昆虫をおびき寄せる一画を作る。(2)大きく開けた日当りの良いスペースの草を年に一二度刈り、以前の農業で痩せた土地の肥料とし、10年ほどで野生の花園とすると、そこは1500種以上の昆虫、蜘蛛の住処となる。(3)開けた緑地のあちこちに幹の長い,手間のかからない強い果樹を植え、そこを3000種以上の昆虫、小動物の集まる場所とする。(4)短く切って穴を開けた丸太を屋根付きの小屋に並べ、もぐらの冬眠場所とし、ハクネズミの日中の隠れ家とする。小さな穴は蜘蛛の産卵場となリ、テントウ虫の越冬場となる。これは聖書に因み「ノアの箱船」と名付けられている。

 このエコトープにはまだまだ多くのプロジェクトが行われているが、すべてをここに書くことは難しい。これからも時々訪れて,専門家の話も聞きつつ勉強したいと楽しみにしている。

2015年9月19日土曜日

開通間近の我らが通り


 デュッセルドルフの日本人通りインマーマンシュトラーセ(Immermannstraße)は現在ほぼ通行止めに近い状態になっています!自動車は東西南北どちらの方向も一車線一方通行のノロノロ運転、歩行者の信号はカバーがされいつでも自由に渡れるようになっています。










 そうです,2013年初頭から始まった自動車地下道工事が完成間近となっているからです。131月にはまだ自動車の高架線(Tausendfüßer=むかで道路)が撤去されておらず、何百何千という市民が記念の「渡り締め」を徒歩で行ったものです。自動車専用道路を歩かせるとは、市も粋な計らいをしてくれたものです。同年9月の拙ブログでは道路の掘り返しが始まった様子を書きました。そして20142月にはトンネルの出口らしきものが見えています。そして撤去から2年経った2015年の4月にはきれいに化粧をした出口が姿を現しました。










 さて今年も下半期に入ってこの大工事は大詰めを迎えたようです。この数週間のインマーマン通りの混雑は,上に書いた通りの今まで経験したことのないようなものです。ご覧のように通行止めの黄色い柵が乱立し,ブルドーザーが騒音を立て人も車も戸惑っています。自動車の方は諦めてこの方面に来る数がグッと減りました。我々歩行者は初めこそびっくりしましたが判ってしまえばしめたもの、信号機がないのですからいつ何時でも横断自由です。


 Karstadtデパート行きの反対方向に延びるKreuzstraßeでは、またブルドーザーによる新しい掘り返しが始まっています。耳をつんざくものすごい騒音、何のための工事でしょう。また開通が遅れるのではないかと心配させられます。









 今年初めに新ホテル建設のため立ち退きOststraßeの店を締めた「丸安」のご主人は、3月にはインマーマンで新レストランと総菜屋を開く予定だ、と言っておられましたが、いろいろな規定に阻まれその開店が遅れていました。でも、数日前奥さんにお会いした時「あと1週間か10日でしょう」と言っておられました。新トンネル出口完成と時を同じくしての新規開店はむしろベターなタイミングかもしれません。今日そこへ行って見ると新看板はすでに掲げられ、工事人はまだ沢山働いていましたが、外から内部の様子を伺い知ることができました。左側は立派なカウンターそして右は気持良さそうな座席が並んでいます。ここで有名なシェフUさんの天婦羅がまた味わえるのも間もなくのこと,その日を楽しみにしているのは我々夫婦だけではないでしょう。

2015年9月14日月曜日

色の組み合わせ


 この数日間集中的にやっている縫い物の作業はソファー用クッション作りです。今まで我が家の居間のソファーに置くクッションは,その大きさに足りるだけの余り布を手当たり次第に利用して作っていました。その結果色も模様もまちまちで統一性に欠けるのでこれを何とか解決出来ないか、と妻から注文が出ました。

 去る6月ハンブルグのある内装店で見つけたカーテン地の見本セットに惹かれました。色も模様も垢抜けている上に、生地は最高級の材質のもの、それに店で不要になった品なので1セット3ユーロという信じられないほどの安価です。でも見本として店頭にぶら下げるものですから,寸法が決まっておりこれが問題です。大きな生地でサイズが十分あれば女性用ブラウスが出来ます。これについては妻のためブラウスを1着縫ったことをこのブログ6月24日に載せました。

 






 今回のは先ず大きいダークブルーの一枚ものの布は縦横1.5弱あり、ここから40cm四方のクッション6枚分は十分取れることが判りました。その一枚ものの上に写真のような縦19cm横39cmの小切れが30枚ほどついていました(6月のブログの写真1と7参照願います)。これをクッションにどう使えるか、いろいろ考えた結果縦横16cm(上下,両端に2cmの縫い代をつけ14cmとなる)の正方形を2枚ずつ切り出しました。それを縦横3枚ずつ計9枚つなぎ合わせパッチワークして,上の一枚もののサイズに合わせるようにしました。









 これでサイズは決まりましたが、次は色の組み合わせの問題です。見本セットの小切れ布は一応同系色の順に並べてあるので、そのまま使い4枚をほぼ半分に切ると8枚出来ますが,クッション1個に9枚が必要なので、あとの1枚をどう決めるかに頭を悩ませました。
配色というものは、同系色を使い同一色相(トーン)、隣接色相、類似色相でまとめれば落ち着きは出ます。しかし色相環を参考にしつつ似たものばかり並べては面白味に欠けます。やはりここには変化が欲しいと思いました。これには対立する要素を使った配色を使えば、なにか新しい効果が生まれるのではないか。

 この辺りの知識は私にはありませんが、行き当たりばったりに対立できそうな色を選んで(これも残りの生地の色は少ないので易しくはない),パッチしたのがこんな結果になりました。場所もいつも真ん中ではなくわざと脇にずらせたりして、変化をつけたつもりですが、新しい面白い効果が出たでしょうか。さて、これから我が家にお出でになる訪問客に良い印象を与えることが出来るかどうか?あまり自信はありませんが…。

2015年9月9日水曜日

欧州の温水洗浄便座事情


 最近日本からドイツへ働きに来た人たちや旅行者の人からよく耳にする言葉は「ここにはウオッシュレットがないので驚き、不便しています」というものです。それほど日本での温水洗浄便座は広く普及しているのですね。聞くところによると全国平均でほぼ70%とか、持ち家率の多い小都市ほどそれが高く80%以上だそうです。日本の最大メーカーのTotoでは販売開始の1980年以来4000万台を売ったと発表しています。

 我が家でも以前から考慮していましたが、先月遂に設置しました。メーカーは日本でも知られているスイスの大手のGeberit(ゲベリット)社でAqua Clean 4000という製品名です。専門業者が勧めて来たものですが、見積もり等が送られて来た後何週間も連絡がなくイライラさせられました。こういう製品の取り扱いも初めてで業者も戸惑っているのかも知れない、と思い半分諦めかけていました。しかしそれが担当者の休暇中で滞っていたことが判り、やっと月末になって設置が実現しました。

 便器本体は最近取り付けたものなので,上の便座の部分だけ買うことにしました。日本で爆買いする中国人が34個も持ち帰るという例の代物です。日本同様ここでも値段は換算して8万—10万円ほどです。しかし新しい水道管を引き、電気の線も敷くため配管工と配線工が2日にわたって働きに来た結果合計で2倍ほどになりました。

 デザインはすっきりしており、プッシュボタンのための台や壁のパネルはなく、洗浄強度調整、温水(貯湯式)温度調整ボタンは本体の右側についています。使用する時は目で見ることなく3列のボタンを指で探って押すだけです。

 Toto2008年以来デュッセルドルフに本社を置いていますが、温水便座の欧州内普及はもう一つ捗らないようです。高級ホテルに設置してもらい、富裕層に訴えかけようとしたが大した効果は上がっていません。欧州の住宅建替えは100年単位で行われるので新しいトイレ設置には積極的ではない、とか、水が硬水のためノズルが詰まる恐れがある等、欧州での普及が何故難しいのか、いろいろな方面からの話が耳に入りますが、どれもあまりはっきりした説明にはなっていません。

 私の妻が知人・友人にいろいろ利点を説明しても、不思議そうになぜそんなものが必要?とか欧州では売れないでしょうね、ともう一つ興味をもって話に乗ってくれないと言います。日本を訪れる外人観光客も,帰国してからの話の種に写真は撮って持ち帰るけど、自分で使ってみる人は少ないと聞きました。

 GeberitDuravitに代表される大手衛生機器会社が温水洗浄便座の販売を開始したことから、欧州でも普及可能性ありと見ているのでしょう。でも今のところ売り上げテンポはあまり上がっておらず、宣伝に懸命になっている状態で、You tubeに現れる前者のAqua Cleanや後者のSensoWashの広告用デモの数は膨大なものです。しかし本当の普及率上昇には一般家庭への導入が鍵となるに違いありません。「一度使ったらもう手放せない文明の利器」というのが日本の一般家庭の実感だと言いますから、欧州人にも何とか「一度使ってもらう」工夫をしない限り普及率は今後も上がらないでしょう。

2015年9月5日土曜日

セルフサービスの花畑


 電動アシストつき自転車に乗るようになって,活動範囲がずっと広がりました。そのお陰で今まで知らなかった方角まで足を延ばし、新しい発見がいくつもありました。数日前には,普通の住宅地を過ぎちょっと郊外に入る地区に大きなお花畑を発見しました。道路の横を走っている時に目に入ったのは、色とりどりの花の群でした。自転車を止めてそこへ下りて見ると…、何やら看板が立っていました。

 そこの花畑に咲くのはダリア、グラジオラス、ヒマワリの3種のみ、それぞれの名前の後に値段が0.3€、0.6€、0.7€とついています。それで判りました。ここはセルフサービスで、畑に生えている新鮮な花を自分で切って買える花畑だったのです。日本にも田舎へ行くと道端に台をおいてその上に柿やミカンを並べ、「一袋◯◯円です。代金は箱にお入れ下さい。」とあり、散策の人がそれを買って行くというのがありますが、あれと同じシステムです。

 







 
 その日は生憎お金を持ち合わせていなかったので,翌日の朝小銭を用意して早速調達に出かけました。前の晩妻に話すと「茎のすらっと長いグラジオラスが欲しい!」ということだったのでそれを5本買いました。きっと必要となるだろうと思い、活け花用の切り鋏をわざわざ持って行きましたが、料金箱の横に赤い柄のついた小刀が何本か置いてあり、他の人はそれを使っていました。

 私が着いた午前10時過ぎには他に中年・初老の夫婦が2組すでに花を切っており、その他にヒマワリだけを何本か脇に抱えた青年と自転車でやってきた婦人を見かけました。その後も何人か来ていたので中々人気のあるお花畑のようです。

 掲示に書いてある語句が面白いと思いました。「料金が払われた花だけが喜び(友人)を運んできます。注意深く傷めないように花を切り取り、本数に合った料金を入れてください。料金箱は毎日空にします」と書いてあります。喜びFreudeと友人Freunde2語の言葉遊びが見られます。こうして見ると料金箱を持ち去られたり、お金を払わないで行く人もいるのでしょうか?私だったらむしろ反対で、例えば3.6€だったら(そして小銭がなかったら)きり良く4€入れるでしょう。今回は幸い60セントx5本のきっちり3€を払いました。そんな安い値段の見事なグラジオラスが居間をこんなに美しくしてくれています。


 
ドイツは盛夏がすぎこれから段々花も少なくなって行くことでしょう。でも背の高いヒマワリだけはまだまだ勢い良く咲いていました。近日中に今度は妻を連れてもう一度セルフサービス花畑に行くつもりでいます。