「鳥たちがみな歌ったとき、ぼくはあのひとに告げた、焦がれる思いと願いを」と詠ったのは詩人のハイネでした。この前に「すばらしい五月に」という一節が来るのですが、今年に限って言えば六月の方が快晴が続き、今が鳥のコンサートの時期たけなわといったところです。
(シジュウカラ)
我が家の庭でも沢山の鳥たちが鳴いていますが、その中でもひときわ美しい歌声の持ち主はAmsel(クロウタドリ)です。その素晴らしい声に聞き惚れた音楽家メシアンが採譜し(音符に書き取り)フルートの曲を作ったというほどです。この鳥の鳴くのは今の季節、雌鳥が卵を抱いている期間だけで、退屈している彼女を慰めているらしいのです。
卵が孵化した後は巣の中の小鳥のための餌探しに忙しくなり歌う暇がなくなると言われています。彼はフェミニストか恐妻家のどちらかでしょう!
(地上の虫をついばむクロウタドリ)
うちのバルコニーにつり下げた餌筒にこの鳥がやってくることはありません。というのは、クロウタドリは地面に落ちている種や餌を拾うという習性があるからです。緑の芝生の上をピョンピョン跳ねながら餌探しをするこの鳥を写真に撮るのは本当にむずかしいことです。
餌筒に飛んで来る鳥のほとんどはMeise(シジュウカラ)です。その食欲は驚くべきもので、3個つり下げてある筒の餌もほぼ1週間で空になります。なぜ3個かって?妻が思いついた時に町のあちこちで買って来たものあり、インターネット通販で注文したものありで、鳥たちが平均して食べるかどうか、試してみようということで3個ぶら下げたのです。面白いことに、特別な餌が(インターネット注文のブランドもの、味が良いのか!)先ずなくなる!しかし、後日同じ餌を3個並べても、真ん中の筒に集中して飛んで来ることが判り、これは鳥の習性などのせいだと判りました。
ある日バルコニーの床に1羽死んだように横たわっている鳥がいました。今の時期新しく生まれたひな鳥が練習に飛んで来たのが、途中で力つきたのか?それとも成鳥がガラス窓か壁にぶつかって失神したのだろうか?かなり近寄っても動きません。居間の窓を通し写真は撮りましたが、遺体はあとで片付けようと思っていました。しばらくして見たら、その姿が消えていました。よかった!失神状態から回復し自力で飛び去ったのでしょう。
(床に横たわっていたシジュウカラ)
Elster(カササギ)や Taube(ハト)の大型鳥も時には飛来し、厚かましく水浴盤に脚を入れたりしていますが、人間の姿を見るとすぐに逃げ去ります。小さな餌筒にはとまることができないので、下の床や地面に落ちた餌のおこぼれを食べていますが、糞で辺りを汚すし小鳥たちを驚かすので招かれざる客となっています。彼らは路面電車の駅付近で沢山群れをなして餌をついばんでいるのを目にします。
(野原で餌をさがすカササギ)
鳥の写真を撮るにはどうしても望遠域レンズが必要です。これまでCanon EOSのため何十年も前フィルム写真時代に買ったレンズをデジタルカメラに使っていましたが、これでもなんとか用を足していました。今回誕生祝いにFuji Film X-E1カメラ専用のズームレンズ55-200mm 1:3.5-4.8を妻が贈ってくれたので、撮影がずいぶん楽になりました。ちょこまかと動く鳥を撮るときはやはり速いシャッタースピードが必要となりますが、F値が明るいタイプのレンズとデジカメで設定出来る高いASA感度のおかげで、少しずつ鳥のお客様の良い写真が撮れていくことでしょう。
三千男さん。鳥の囀りを楽しめるよい季節ですね。日本の4月ですね。昔、バッハについての本で、ナイチンゲールやカッコーの声が聞ける幸せを読んだことがありました。自然や心理的な安寧があればこその小鳥の歌声ですね。大切にしましょう。いま、日本は灼熱の7月気候です。鳥類は森や林で避暑です。大阪の山さん。
返信削除これからしばらくが鳥の歌声の聞ける良い季節です。数年前にも一度餌箱や筒をぶら下げたのですが、バルコニーの汚れに業を煮やした妻が止めにしました。今年は久しぶりに再開しましたが、最初のうちは来客が少なく落胆していました。でも今の時期になってやっと千客万来の盛況です。鳥の声と姿には本当に心癒されます。鳥の他にこの庭にはリスもやってきますが、バルコニーの床が汚れると言って、妻はすぐに追い払っています。
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