2015年11月13日金曜日

ラストスパート?


 10月末夏時間が終わる数日前,ドイツは厳しい寒さに襲われた。それで「今年の冬の到来は早いか?」、と恐れたが11月になるとそれが一変、気象庁始まって以来の暖秋となり、連日20℃近い日が続いた。

 それでも月半ばになると、町のあちこちに例年のクリスマスマーケットの小屋の建設が始まった。詳しいことは調べていないが、何か毎年マーケット開始の時期が早くなっているような印象を受ける。今年のシーズンも1ヶ月間ほど近隣から来る客も含め町が賑わうことだろう。1年中で最も売り上げの多くなるこの季節に乗り遅れてはなるものかと、各商店もクリスマスの飾り付けに大童になっている。









 
 そんな時期、今年気になるのは町の中心地の混沌さである。人も車も交通がままならぬ混雑がもう何ヶ月も続いているのだ。この数十年間、町の通りでこんなに沢山の遮断・通行禁止のための柵が立てられたのを見たことがない。メイン通りの信号も車用、歩行者用共に役に立たず全面廃止となり、どちらも勝手に走り、歩いている。

 地方新聞のRheinische Postが「新都市中心地のためのラストスパート」という記事を載せたのは7月末だった。それによると,「数ヶ月でヨハネス教会周辺の基盤工事が終結、舗装工事が始まる」ということだったが、今日見た限りまだ地面の掘り返し作業の段階だった!教会前の「マルチン・ルター広場」は10月で完結のはずだが未だ混乱状態だし、インマーマン通りの歩道が造られ車道には新アスファルトが敷かれるはずだったが、ご覧の通り通行人は未だに狭く不便な遮断枠の間を歩かされている。









 
 年末には開通するはずの北−南行きのトンネルは大丈夫なのだろうか。これは20134月に取り払われた自動車用高架線(Tausendfüssler)「ムカデ橋」に取って代わるもので,直線で南下してBerliner Alleへ、そして西へ折れればImmermannstr.へと入る。1030日の上記新聞は1110日を「超モダンなトンネル」の開通日と報道していたが、そこから上がって来る車の姿は今日現在まだ見ていない。

 工事現場を見て回ってもどうも「ラストスパート」という差し迫った緊張感というものが感じられない。第一動員されている労働者の数がチラホラとしか見当たらず、絶対数が少ない、という印象を強く受ける。彼らに完成時のことを訊いても肩をすくめて「俺たちには判らないよ」と言うだけだ。どこかの国の「突貫工事」というものがどんなものか、一度体験させてやりたいものだ。

 しかし中央駅方向に数十m進むと、Oststr.辺りの工事進展状態は順調のようである。工事の進んでいる新Lindner Hotelもすでに数十の窓も出来ホテルの形を現している。Marienstr.を挟んでその横に以前からある小さなWeidenhofホテルは大きな建物から見下ろされ、もう存続の危機にあるのかなと思ったが、事情に詳しい知人によると、客層が違うしこの小さいホテルは日本人びいきで良いオファーを良くしてくれるから絶対に廃れることはないだろう、と言う。それよりも同じスケールの「ホテルニッコー」の方が大きな打撃を受けるかも知れないのだ、と。

 もう一つ付け加えたいことは、以前OCS書店が締めた後しばらく空き家となっていた店舗が、先日内装工事をやっているのを発見。開いていたドアから顔を突っ込み訊いてみると「高木書店がかえってきます!」ということ。以前同じ場所で何十年も書店をされ,その後引退された高木夫妻ではなく、今までMariennstr.の小さい書店でやっておられたお嬢さんのYさんが引き継がれるようで、本当におめでたいことだと喜んでいる。

2 件のコメント:

  1. 三千男さん。今秋の暖かさや工事の遅れ?等、街の変貌をじっくり眺める心の余裕は若い人にはできない技、相談ですね。僕の街も地震対策とかいう狭い道や通りのあちらこちらで「上下水道、ガス管」工事がずっと続いていて足の悪いものは迷惑しています。そちらはクリスマス商戦がもう始まって、雰囲気があるでしょうね。2か月近く前からの需要はプレゼント、食べ物ではないでしょうから、飾りものやツリー関係の物でしょうかね。または、宗教ものでしょうかね。工事関係はクリスマスプレゼントで完成するわけにもいかないですか。逆に休暇者多くでますます進行せずですかね。大阪の山さん

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    1. もう何ヶ月も、否何年も?続く町の中心部の交通渋滞(人も車も)に慣れっこになりつつあります。歩行者用信号もなくなると、いつでも通りを横切れるという便利さはありますが、車の方がスピートを落としてくれないと危険なことはあります。とにかく工事の進展状態は悠長なものであるという印象です。
      クリスマスシーズンは食料、菓子,デコレーションばかりでなく、その他の品物の店でもやっぱり売り上げは何倍かになるようです。人々の買い物も計画性がないのか、クリスマス終了後のデパートでは交換品専門のデスクが出来、不要なプレゼントを他の物に交換しに来る客の長い列ができます。これも年末の見慣れた風景です。

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