今ドイツの学校は秋休みです。それで例年通り3人の孫とその両親を連れての休暇を計画しました。この2年間に東京、ベルリン、ロンドンと各国の首都を巡る旅行をやってきたので、今年の目的地は彼らの誰もまだ行ったことのないオーストリアの首都ウイーンと決めました。
デュッセルドルフ・ウイーン間は飛行機で1時間20分の近い距離です。ウイーン空港から市の中心まではCAT(City-Airport-Train)という快適なノンストップ快速電車が走りわずか16分で着きます。我々全員それぞれ重いスーツケースはありましたが、駅からホテルまで,市立公園を通って歩きました。この公園にはウイーンに関係のある有名な音楽家たちの銅像があちこちにたっており、この音楽の都に来た!という感激に浸りたいため、数キロの距離はありましたがあえて歩くことにしたのです。これこそウイーンと思わせるすばらしい公園を訪れ、中でも金ピカに輝くヨハン・シュトラウスの銅像の前で記念写真を撮ったのは、旅のスタートとして良い想い出となりました。
我々の宿舎アヴィアーノ・ペンションは、町のど真ん中の歴史的風格のある建物で、直ぐ横の繁華街ケルントナー通りに沿って建っており、シュテファン大聖堂まで750mという便利なところにあります。その外観も内部もいわゆるパトリチア(中世都市貴族風)の造りで,何か厳粛な気分にさせられます。
着いた日(10月10日)の最初の行動として、先ず週末の観光客で溢れるシュテファン寺院に入り、親族の物故者たちのために何本かのロウソクに灯をともし捧げました。寺院の回りに列をなして客を待っているのは,2頭だての市内観光用の馬車です。この馬車はフィアカー(Fiaker)と呼ばれますが、それはここの町に限られ使われます。この名は以前から聞いていましたが、その由来は知りませんでした。しかし今回ペンションの図書館で「ウイーンの方言」という本を見つけ遂にその意味が判りました。この語は元々フランス語であり、パリの貴族が知り合いのために提供した馬車に聖人Fiacreの絵がついていたのを通行人が「フィアカーの馬車だ!」と言ったのです。それがウイーンに伝わり、ここですべての馬車をフィアカーと呼ぶようになった、ということです。
さて3人の孫を連れ半時間、石畳の道路にガタガタと音を立て揺れながら走る馬車の市内観光は、ウイーン最古の飲み屋、歴史の跡が感じられる邸宅、人出の少ない小路を通り、この町ならではの興味深いものとなりました。
しかしフィアカー営業には問題が山積みしていることが知られています。先ず動物愛護協会からは全面禁止をしろ、という要求が出ています。年中観光のため馬を走らせるのは動物虐待であるということで、もう現在も酷寒の時期はやっていません(御者の収入ゼロになる!)。それと町に溢れる自動車と観光客の群の中をトコトコ馬車を走らせるのも御者にとって大変なことのようです。
事実我々の滞在中にも、車のクラクションに驚いた馬が暴走し馬車が転覆するという事件がありました。幸い乗客には怪我がなく馬も警官が取り押さえたと新聞記事が報道していました。道理で建物や小路の説明をしている間にも我々の御者の口からは,自動車や歩行者に対する「畜生、気をつけろ!」という激しい言葉が度々出て来ました。実際馬車の上から街を眺めて,大変な仕事だろうなとうなずけました。だから初め「高いな!」と思った30分足らずの観光に55ユーロという料金も、乗った後では順当かも知れない、と思ったことでした。
三千男さん。楽しいウイーン旅行でしたね。皆さん寒くなったウイーン旅行は耐寒ものも持参するのが、大変でしょう。シュテンファン寺院や、石畳をコツコツと小走りのハイアカーなどが目に浮かびます。僕は都合4回のウイーン旅行(公私で)経験ですが、懐かしいです。秋のはじめばかりでしたが。一番の思い出がシュテファン寺院でモーツアルトの結婚式と葬式をしたと聞かされた時です。地下には〇〇王の内臓が置かれると聞く場所で。夜の呑む時も楽しかった。初体験の人も含めご家族でのご旅行は、満足感も大きかったでしょうね。今年我々は傘寿の祝い、僕も年内に川崎在住の二男公二家族と浜松あたりの中間地区旅行をしそうです。旅行は健康が前提ですね。大阪の山さん
返信削除予想以上の寒さと雨に悩まされはしましたが楽しい旅行でした。私は持参したものでなんとか足りましたが、孫の一人には冬用のコートを買っていました。シュテファン寺院は着いた日土曜日の午後であったこともあり、大変な数の観光客で塔の上も地下も見学出来ませんでした。本当に最近は世界のどの観光名所も客が多くなりました。経済的に恵まれまた交通機関も発達した結果でしょう。日本人の姿もチラホラ見かけましたが、やはり中国人の団体が多いのが目につきました。
削除公二さんご一家によろしくお伝え下さい。こちらに駐在なさった頃はお孫さんが幼稚園児でした!今はもう高校生でしょう?本当に月日の経つのは早いものですね。