最近日本からドイツへ働きに来た人たちや旅行者の人からよく耳にする言葉は「ここにはウオッシュレットがないので驚き、不便しています」というものです。それほど日本での温水洗浄便座は広く普及しているのですね。聞くところによると全国平均でほぼ70%とか、持ち家率の多い小都市ほどそれが高く80%以上だそうです。日本の最大メーカーのTotoでは販売開始の1980年以来4000万台を売ったと発表しています。
我が家でも以前から考慮していましたが、先月遂に設置しました。メーカーは日本でも知られているスイスの大手のGeberit(ゲベリット)社でAqua Clean 4000という製品名です。専門業者が勧めて来たものですが、見積もり等が送られて来た後何週間も連絡がなくイライラさせられました。こういう製品の取り扱いも初めてで業者も戸惑っているのかも知れない、と思い半分諦めかけていました。しかしそれが担当者の休暇中で滞っていたことが判り、やっと月末になって設置が実現しました。
便器本体は最近取り付けたものなので,上の便座の部分だけ買うことにしました。日本で爆買いする中国人が3−4個も持ち帰るという例の代物です。日本同様ここでも値段は換算して8万—10万円ほどです。しかし新しい水道管を引き、電気の線も敷くため配管工と配線工が2日にわたって働きに来た結果合計で2倍ほどになりました。
デザインはすっきりしており、プッシュボタンのための台や壁のパネルはなく、洗浄強度調整、温水(貯湯式)温度調整ボタンは本体の右側についています。使用する時は目で見ることなく3列のボタンを指で探って押すだけです。
Totoは2008年以来デュッセルドルフに本社を置いていますが、温水便座の欧州内普及はもう一つ捗らないようです。高級ホテルに設置してもらい、富裕層に訴えかけようとしたが大した効果は上がっていません。欧州の住宅建替えは100年単位で行われるので新しいトイレ設置には積極的ではない、とか、水が硬水のためノズルが詰まる恐れがある等、欧州での普及が何故難しいのか、いろいろな方面からの話が耳に入りますが、どれもあまりはっきりした説明にはなっていません。
私の妻が知人・友人にいろいろ利点を説明しても、不思議そうになぜそんなものが必要?とか欧州では売れないでしょうね、ともう一つ興味をもって話に乗ってくれないと言います。日本を訪れる外人観光客も,帰国してからの話の種に写真は撮って持ち帰るけど、自分で使ってみる人は少ないと聞きました。
GeberitやDuravitに代表される大手衛生機器会社が温水洗浄便座の販売を開始したことから、欧州でも普及可能性ありと見ているのでしょう。でも今のところ売り上げテンポはあまり上がっておらず、宣伝に懸命になっている状態で、You tubeに現れる前者のAqua Cleanや後者のSensoWashの広告用デモの数は膨大なものです。しかし本当の普及率上昇には一般家庭への導入が鍵となるに違いありません。「一度使ったらもう手放せない文明の利器」というのが日本の一般家庭の実感だと言いますから、欧州人にも何とか「一度使ってもらう」工夫をしない限り普及率は今後も上がらないでしょう。
三千男さん。人間生きるために食べる。食べた物は排泄する。これが常識であり、この幸せは、人生基本の幸せだ(椎名 誠著 奇食珍食糞便録より)。と言いきる人もいるようで、冬に暖かい所へ尻を据えることができるのは、便座を含めて法外な幸せでしょう。私は、ワイフから古くからたっての希望もあり、シャワーレット(TOTOの噴水型トイレの商標)を約30年前くらいから使って、今はもう3代目になります。温水洗浄便座などすこしずつ、進歩していきます。トイレの座り心地が良くて、長時間使う人が多いのは、やや問題かも。
返信削除貴台も奥さんもお使いになるうと、メーカー差は分りませんが、きっとフアンになると思いますよ。もとへは戻らないですよ。きっと! 冬に向かって、暖かい幸せを。大阪の山さん
もう30年も前からお使いで3代目ですか!この道大先輩ですね。確かにこの分野も日進月歩で、発売から35年経っていますから、皆さん日本では買い替えの時期だと言うことで、業者も力を入れていると聞きます。
削除ドイツではトイレは普通浴室、シャワーと同室に備えられるので(客用は例外)冬でも寒さは感じませんが,問題は湿気でしょうね。時に天井の電球がおかしなショートをするのはそのためらしいです。そんな問題がウオッシュレットに起こらないよう願うのみです。