2015年7月12日日曜日

フランスデーで食べ歩き


 フランスの祝祭日714日はパリ祭と呼ばれる。その日に近い週末ここデュッセルドルフでは毎年「フランスデー」というイベントが3日間(今年は71012日)にわたり行われ、今年で15回目だ。「日本デー」と同じようにアルトシュタットのラインプロムナードで開かれるのだが、雰囲気はかなり違っている。初日の10日6時の開場直後に妻共々出かけた。









 ライン河に沿って何キロかのテントが続くのには変わりないが、そのほとんどが食べ物と飲み物を売るテントだ。ノルマンディーにブレターニュ、アルザスにロアール、コニャックにボルドーにプロバンス等々お馴染みフランス各地方名が記されている。そして遊歩道の真ん中に延々とテーブルが並べられ、人々は買い入れたばかりのフランスの珍味や生牡蠣にワイン、シャンペンを楽しむ。折からの好天と河から吹いて来る気持よいそよ風に、客は一旦腰を下ろしたら中々立ち上がらない。彼らの多くは中年以上の人で、日本デーにあふれるコスプレ姿の若い娘は一人も見られない。
 












 我々もキシュやクスクスの入った料理を買い空席を探したが見つからないので、仕方なくテントの後に回ってライン河の見える石の手すりに腰掛けて夕食を楽しんだ。フランスデーは食べ物だけの催しではなく、歴史、文化、その他の産物も紹介する、とうたっている。ラベンダー香りの石鹸に木彫り細工と陶器類も売る、と情報誌にあったがそんなテントはどこにも見つからない。シャンソンのコンサートのことも書いてあったが、雑踏の騒音の他どこからも音楽は聞こえて来ない。Burgplatzの広場にエッフェル塔の模型を見つけた。アルトシュタットのシンボル、ランベルトゥス教会の斜塔とライン航行博物館の塔と並んで面白いコントラストを醸し出す。その横にプジョーやルノーやシトロエンのフランス車のオールドタイマーが並ぶ。プレートナンバーからすると、この近郊のコレクターが集まって参加したらしい。













 これまでに小さいものを数種類立食したが、すべて妻と半分ずつにしたのでまだ満腹とはいかない。それでクレープで満たそうと、チーズ・ハム入りを食べたがこれがかなりのボリュームだった。小食の妻は締めくくりに僧院の僧侶が醸造することで有名なGrimbergenのビールにする。後は持ち帰りのため、ピレネー地方のチーズと燻製ソーセージを買った。明日の朝食が楽しみだ。









 


 8時を過ぎてもまだ太陽の光はさんさんと降り注ぎ、来訪者の数がずっと増え歩き難くなった。先週の40℃近い猛暑は去り、20℃半ばの最適な気温、そして一年中で最も日中の長い季節のこと、フランスデーは幸運な初日を迎えたようだ。

2 件のコメント:

  1. 三千男さん。夏休みに入ってのバカンスを謳歌する時期に(本来、パリ祭なんてのも)フランスデェーとは。文化、歴史の面で犬猿のような中でも、習慣、せめぎ合った国境等で本位でなく折り合いをつけて、笑顔を作ってきた結果がこういう市場になってきているのだと思っています。でもフランスで生の牡蠣を本当に美味しいと思ったことがありません。広島でも生臭いと思っただけ。程良いタレのある焼き牡蠣は美味しいと思います。かなり昔、生牡蠣を相手に中部フランスの山岳ホテルバーでパスピスというプロバンス焼酎をちびりちびりやった覚えがあります。雰囲気だけ。大阪の山さん

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    1. 独仏の関係は、現在のギリシャ問題の解決策を求めてのオランド、メルケルの会見頻度から見ても非常に密接の感ありです。たしかに隣同士の例にもれず,領地を取ったり取られたり、過去は両国犬猿の仲でした。
      牡蠣はノルマンディやブレターニュの海岸の露店で食べたのは絶品でした。中には広島からの種輸入・養殖というのもありましたが!いつかスペイン北海岸の町で食べた牡蠣に当たって数日もの凄く苦しんだことがあります。それ以来生ガキは敬遠しています。今回も売っていて妻は食べようかと言いましたが、値段も高いし(小さいのが1個2€!)断りました。

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