2014年5月16日金曜日

Tetraederへ


 アウトバーンを北へ50キロ1時間弱走ると、ボットロップ(Bottrop)の町につく。ルール工業地帯のほぼ真ん中、且つては石炭の炭坑があった所だ。 寒い時期しばらくお休みにしていたが、久しぶりにその町のボタ山を訪れた。

 ボタ山の多くには麓から頂上まで何百段の階段がついているのだが、ここは最初の数十段だけで、あとは普通の山道となる。それも緩い傾斜でつづら折りに何キロも続いている。そんなにグルグルと迂回させなくても良さそうなのに、徒歩の老人や小さい子供たちのことを考えたのか、またマウンテンバイクやセグウエイを使う人を考慮にいれたのか。じれったくなった若者たちは、道を使わず山の傾斜を攀じ登る。


 この山は1969年から93年までの24年間に廃棄されたズリによって出来たもので徐々に植林がされた結果、今では緑に覆われた90mの高さを持つ小山になっている。そして頂上にある建造物こそ、ここに来る人がお目当てにしている60mの高さのTetraeder(テトラエーデル)である。

 この語は訳せば「4面体」。正式名称は「エムシャー川を展望するボタ山ハプニング」(Haldeereignis Emscherblick)という長いものだが、通常人はテトラエーデルと呼んでいる。写真で見られるようにピラミッド状正3角形が四面つなぎ合わされ4本の支柱の上に置かれている。支柱は9m210トンの鋼材を使ったパイプは全部で1.5kmに達する。これに約400の階段と3つの展望台のつく建造物で95年に完成され、当時で約1.4億円かかった。



 当日の山上は、地上でも何本かの樹を倒したほどの強風が吹いていた。それに時折小雨もぱらつく。話し声も届かないほどの耳にゴーっという風の音、少し揺れる階段を上り始めた我々は、第1展望台ですぐに諦めた。その上床は網目状になっており、登ってきた地面がいやでも目に入り足が震える。まだ上には第2,第3とあり、最上台は地上38mでおまけに傾斜して造られていると聞いて怖じ気づいた。


 当日最上階まで登っていた人もいたが、その数は限られていた。快晴で風も穏やかな日なら登ったかも知れない。エッセン、デュイスブルグの町も、ガゾメーター美術館、チェントロショッピングセンター、シャルケサッカー場も望める上からの光景はルール地方一だということだ。ライトアップされる夜の光景もすばらしいと聞く。また日を改めて挑戦してみたいものだ。

2 件のコメント:

  1. 三千男さん。ボタ山の山頂がフラットで、その上、モニュメントか実用構造物か、いずれにせよ良い展望台になっていますね。遠くに望める街並みもルール炭田地方のイメージとはかなり違いますね。森が深い。いまは、観光地?牧畜・農村?または林業地帯?ですか。大阪の山さん

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    1. 石炭からの廃棄物をそのまま積んだのでは危険が一杯ですね。自然発火で火事、豪雨で山崩れ災害等日本、中国、英国の例を聞いたことがあります。その点ルール地方のぼた山はどれも注意して、盛り土をした後植林・緑化をしています。中には大金をかけて芸術作品まがいのもの、大型展望台も数カ所見られます。Tetraederもその一例で、庶民の良い娯楽施設になっています。

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