2013年9月7日土曜日

秋は新学年の季節


 夏休みが終わると9月は新学年の月です。いいえ、新学期のまちがいではありません!ここドイツでは(他の欧州各国もアメリカもですが)、新しい学年は小学校から大学まで秋(9月、10月)に始まります。

        (何世紀もの歴史を誇るRatsgymnasiumの建物)
 10歳になる私の孫娘のハンナもこの秋(9月5日に)Bielefeld Ratsgymnasium(ギムナジウム=8-9年間の中等教育のための学校)に入学しました。何百年もの長い歴史を持つこの学校では私の娘が英語教師として勤めているので、ハンナはママの授業も受けることになるでしょう。ドイツの学制では、誰もが行く基幹学校で4年間学んだ後、5年生の年齢で生徒たちは目的の違った3つの学校に分かれて教育を続けます。ギムナジウムは主に大学教育を目指すコースで、89年後(18歳か19歳で)国家試験に合格すれば希望する大学に入ることが出来ます。他の2コースは8年制の実業学校と4年制の義務教育課程の学校ですが、ここでは詳細を省きます。

   (入学式礼拝が終わって教会の前で両親と。小さな「からし種」)
 さて、私たちは孫の入学式に是非にと招かれていたので、前の晩から泊まりがけで出かけました。午前8時から教会での入学式礼拝が行われ、同校の宗教主任の牧師(神父)が聖書の「神の国は一粒のからし種のようなものである。地にまかれる時には、地上のどんな種よりも小さいが、まかれると、成長してどんな野菜よりも大きくなり、大きな枝を張り、その陰に空の鳥が宿るほどになる」という一節から「すべては小さなものから始まる」というテーマで「君たちは今は小さいが、やがて大きく成長し、人のため世のために尽くして欲しい」と説教しました。その後一人一人の名前が呼び上げられ、上級生から「からし種」の入った小さな封筒がそれぞれに手渡されました。
              (講堂での新入生歓迎会)
 礼拝後会場を学校の講堂に移し歓迎会が開かれ、校長先生のお話、吹奏楽や合唱のプログラムで盛り上がり、担任の先生紹介と組み分けがなされました。今年の新入生は30の基幹学校から113人が入学し(1校平均4人弱)4組に分けられました。そして自分のクラス(部屋)に入りギムナジウム生徒として初めての1時間の授業(明日からのオリエンテーションだけですが)を受けました。
           (新しいクラスメートたちに会う)
 町の中心部にはいくつも学校があり、すぐ隣では基幹学校の入学日だったらしく両親・親族に付き添われた6歳児が沢山目に止まりました。この新入生のためにはドイツ独特の慣習があります。下の写真の小さな坊やが抱えているSchultüte(小学校入学祝いの菓子筒=入学の日に親たちが与えるケーキ・キャンディ、などをつめた円錐形の筒)がそれで、デパートでは毎年もいろんな趣向を凝らしたデザインの筒の大売り出しをします。
         (記念写真撮影を頼まれた基幹学校1年生の家族)
 ギムナジウム生のハンナにはこのキャンディ筒はもう必要なし、でも明日からは郊外から町まで715分発のバスで20分ほどかかる通学が始まります。ママはそれより早く自動車で登校なので乗せてもらえません。生徒証と定期を入れる大きめの財布も、ランドセルではなく、どんと重量の増えた教科書を運ぶ大きなリュクサックも揃いました。さて、これからしばらくは不安な日々が続くでしょうが、バスは同校1年先輩の近所のお友達がいっしょなのであまり心配している様子は見られません。がんばれ、ハンナ!

     (ハイキングにでも出かけるような重い教材のリュックサック)

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