デュッセルドルフ内の日本食レストランでは、どこも昼の定食を出しています。それがドイツ人にも大変な人気となっていますが、その理由は…。メインのおかずは日替わりの肉か魚料理で、もちろんご飯と味噌汁がついています。それだけでなく小鉢に入った小付けが3種類程並び、ブドウ、スイカ、ミカン等のデザートがつきます。お茶とご飯はお替わり無料で、値段は9ユーロ前後なのです。アルトシュタット付近のどのドイツレストランで、これだけのものをこの値段でオファーするでしょうか。現地のオフィス従業員も沢山集まるはずです。
それを見習って私も、今度誰かを夕食に招待したら小鉢類に挑戦してみよう、と手ぐすね引いて待っていました。先日やっと4人の知人友人を招く機会があったのでやってみました。
幸い日本の親類や友人から送られた食材が手元にあったので、次のような献立となりました。先ず「芽ひじき」は水でもどし油揚、人参と油で炒め、それに色どりを良くするため冷凍のグリーンピースをちりばめました。次は「湯葉」。これも油揚と共に軽く炒め、オクラと人参を刻んだものに加え、麺つゆで味付けしました。これは珍しいだろうと思っていましたが、日本に長く滞在したドイツ人女性がすぐに「ああ、湯葉ですね!懐かしい味です」と言ったのには驚きました。三つ目は「焼きナス」。こちらの大きなお化けナスは一個で3人分たっぷりあります。それを電子レンジで数分間チンして熱いうちに皮を剥くだけ。上に摺ったショウガと鰹節をかけたのですが、この鰹節は袋に入った花鰹などではない、本枯鰹節を鉋で削るのです。これも味の分かるお客様によく受けました。そして最後は「かにかま」(ドイツでは「スリミ(摺り身)」という名前で売っている)を使い、キュウリと油抜きした油揚と千切りのショウガを加え、酢、砂糖、ごま油で和えたら中華風の酢のものが出来上がりました。切ったり、茹でたり、炒めたり、これだけ作るのに午前中全部を使いました。
メインは栗原はるみさんのレシピー(ドイツ語訳の本)から、絹豆腐、コテッジチーズ、アボガドをつぶして混ぜコンソメとマヨネーズで味付けしたドレッシングを、グリーンサラダを敷いて鶏のもも肉のカリカリ焼きにかけました。これは午後遅くお客さんが集まる時間を見計らって作りましたが、労力や時間的には小付けより簡単に出来ました。これに豆腐とわかめの味噌汁、そして「こしひかり」(欧州産ですが!)のご飯で、典型的な和風の夕食となり、お客さんに喜んでいただけました。
食後は音楽の心得ある者が、それぞれの楽器でもって演奏し、小さなホームコンサートとなりました。小学校2年生8歳のレオ君はこの1年半ほどクラリネットを習っていますが、その音の良さとテクニックに皆驚かされました。暗譜したジャズ調の曲等、全員が感嘆するばかり、これからの成長・上達が楽しみです。
おいしいご飯ときれいな音楽で、本当に楽しい晩となりました。また次の機会には、別の趣向で献立を考えますから楽しみにしていて下さい!
遠くドイツにも日本の「小鉢もの」を賞味してくださる方がおられるのは嬉しいことです。年と共にメインよりも小鉢ものの方が嬉しくてつい作るのも力が入ってしまいます。揚げ出しなどは別として前もって作っておけるのも良いですね。心と手をかけていろいろ作り、良いホームパーティが出来て良かったですね。これからもお料理頑張ってください。ボケ防止にもなりますし。
返信削除小鉢者に限らず、毎日の料理を考え「今日は何に使用か?」などと頭を悩ませることがボケ防止に大きな効果を持つようです。レストランや旅館では何百(何千?)の小付けを作っておくのでしょうね。冷めても美味しく食べられる小鉢もの、また良いものがあったら教えて下さい。
削除三千男さん。貴台が小鉢料理をドイツで食されるのは幸せなことですね。私など外国では、旅行か、ちょっと長い滞在程度です。日本の料理を懐かしみ、食べて幸せを感ずるほどの期間(数か月以上)の逗留は経験がありません。長く生活をしている方には、幸せでしょう。そのお気持ちはよく分かります。小鉢の皿絵や卓との色調和なども(本当は)一緒に楽しむのが料理だとか。でもドイツなど何事も不足で作る人にはこれは難しいですね。いずれにしても写真は貴台が作った料理?凄い。大阪の山さん
返信削除日本人が沢山住み、日本食材も楽に手に入るデュッセルドルフに住む幸いを感謝しています。時に中近東からの駐在員さんを見かけることがありますが、その人たちは持ちきれない程の和食材を買い込んで帰られます。
削除小鉢ものに絶対欠かせないのは、それに合う器、それも人数分の数のある器ですね。ここに載せた写真は、実は恥ずかしい思いで載せました。それは適当な種類と数の揃った器がなかったためです。外国でそれを揃えることは費用もかかるし、とても難しいことです。