「最近ボタ山づいているんですよ。もう3カ所ほど行きました」なんて人に話していると、いろんな人や方面から情報が寄せられて来る。今回のは、妻の知り合いのカメラマンが最近仕事をしたという、隣町デュイスブルグ市のアンガーパークにあるボタ山だ。カーナビに入れるとなんと、我が家から12キロしかない!これならサイクリングがてらでも行けそうな距離だ。11月1日(木)は「万聖節」の祝日だったので、早速車で出かけることにした。
今まで訪れたいずれのボタ山もハゲ山として放っておかれるものはなく、頂上に芸術作品(古い枕木のトーテムポール、鉄鋼の塊、粗削りの石等、比較的簡素なものだが)が飾られていた。それが今回のはもの凄くスケールの大きいキラキラ光る作品だった。名付けて「虎と亀」(Tiger and Turtle),それに加え「魔法の山」(Magic Mountain)と続く。作者はハイケ・ムッターとウルリッヒ・ゲントの2人の芸術家。なぜそんな名前をつけたのか、なぜ英語を使うのかは不明だ。
写真でご覧の通り、40mx41mの土台に建つその形はジェットコースターそのものだ。ここのボタ山は石炭のボタではなく、亜鉛の廃石で出来た山ということで、それにふさわしく材料は亜鉛と鋼鉄が使われた。かかった費用は何と200万ユーロ(約2億円)というからすごい!そして見せるだけのものでなく、一般の来訪者が自分の足で登れるというおまけ付きだ。勿論入場無料である。
山自体は道路面から35メートル(平均海面から67メートル)でループの最高点が20メートルある。ほとんどの来訪者は車で来て山の麓に駐車し、あと数百メートルを歩く。子供連れ、バギーの乳幼児も多く見られた。
我々も早速登ってみたが…。アルミ材の階段は幅1メートル弱で上り下りの人が行き交う時は一寸窮屈だ。私は、丸いループの上にどうやって登るのか、出来たら是非やってみたい、と期待していたが、すぐに駄目だということが判った。本物のジェットコースターなら頭を下に逆さまになって超スピードで走るのだが、ここでは無理。行けるのは高13メートルの所で、その先は行き止まりになっている。
その日は雨模様で風もかなり強く、突風が来ると足場がユラユラ揺れるのが感じられた。そしてステップから地上が見通せるので、高所恐怖症の向きにはお薦め出来ない。とにかく全体がきゃしゃで柔(やわ)に出来ている感じだ。一時に登れる人数は最高195人までということだったので、許容重量制限でもあるのか、怖いなと思ったが、そうではなさそう。かなり急で狭い階段での混雑を避けるためだということだ。
ここのボタ山の周囲は草(芝)も生え、植林もしているようで、公園の趣がある。近いうちにカフェー、レストランも出来るという。そうなると、他のボタ山に比べ、いずれは手入れの行き届いた遊園地パークに近いものとなるだろう。荒涼としたボタ山散策をする者としては、あまり俗化してほしくないと思うのだが…。
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