2015年8月7日金曜日

電動アシスト自転車を買った!


 昨年の秋瀬戸内海の「島なみ海道」でサイクリングを楽しんだ。その際部分的には勾配のきつい所もある、と聞いていたので電動アシスト自転車を手配してもらった。借りたのは古くさい形のママチャリに簡単なバッテリーがついたもので、出発前に係の人から「電気の消耗が早いという苦情をよく受けるので,気をつけて下さい」と注意を受けた。それで平地ではなるべく使わず恐る恐る半日乗ったが、幸い途中でエネルギー欠とはならず無事帰着した。

 それに味をしめた妻は帰国後すぐに新しい電動アシストバイクを購入した。ドイツではまだ高価で専門店で見るものはすべて2000€内外だったので、私は買うのを控えていた。それから半年して値段もかなり安いものが出るようになり、1000€を切るものが目につくようになったので私も数日前決心して買うことにした。スピードメータや走行距離表示はついていないが価格は800€そこそこだった。









 
 今週から2週間夏の休みを取っている妻共々、この辺りのサイクリングを楽しんでいる。数週間前の殺人的猛暑は去り、連日20℃内外の快晴が続いている今の季節ライン河畔を走るのは、この上なく楽しく健康的なスポーツである。「慣らし運転」を数時間やった後はギアとアシストの組み合わせも判り、無駄な電気も消費せずペダルを踏む体力消費の点も含め経済的に走れるようになった。それに二つ目の代替用充電バッテリーもついており、携行バッグのなかに交換用を一つ入れて走ると途中での完全消耗の心配なく心理的にも安心して走れる。

 市内からかなり離れたこの辺りにはサイクリング用の道がよく備わっており、半日一日のコース地図も市販されているので、日によって行き先を決めるのは簡単である。これまで,往復20キロほどのコースを2つ走ってみた。その一つは郊外のAngermund城へのリンゴ園と小麦畑を通る田舎道のコースだった。夏麦の収穫が終わった畑が多く、コンバインで刈り取り・脱穀・選別されたあと、残された麦藁が丸くきれいにまとめられているのは,毎年の夏の見事な光景である。
 
 リンゴの樹が片側に何本も続く道路は初めて見るもので珍しかった。このような所はドイツ語でStreuobstwiese(独語版Wikipediaに出ている)と呼ばれるが、日本語に訳すのは難しい(日本語版には単に「果樹園」となっている)。しかし、ここにはObst(果物)の語が入っている通り、リンゴに限らずサクランボ、栗、プラム等が雑多に育つ園や並木道を指す。一定の農家が所有するのではなく、村民(市民)が自由に育成栽培と収穫する入会権のあるような場所・土地と考えれば良いだろう。だからサイクリングや散策の人が勝手に採って食べても咎められることはない。









 
 雨天の一日おいて次に走ったのはライン河の左岸Meerbuschで、長いFlughafen Brücke(空港橋)を渡り河畔をそよ風に吹かれながら走るには絶好の天気だった。この辺りには馬を放し飼いにする野原が多い。馬を飼って乗馬を教える訓練所も多く見られる。この日のハイライトは帰路右岸のKaiserswerthまで数分かかるフェリーに乗ったことだ。これはキルメス期間中一度に数百人の人を運んでいたフェリーが本来の仕事に戻って来たのだ。この日正午少し前の時間帯だったが、230人の乗客があり乗用車も数台乗っていた。






 電動アシストつき自転車を数日使ってみて、自分でも驚くほど行動範囲、走行距離が伸びたことに気づいた。征服出来る距離に比べ身体の疲労度はわずかで、快適な心地好さが残るのみだ。厳寒の真冬は敬遠しなければならないだろうが、これからの数ヶ月間、季節毎に変わるこの辺りの風景を楽しみつつサイクリングをする楽しみが増えた。

2 件のコメント:

  1. 三千男さん。電動アシスト自転車を使って、多少の勾配を気にせず色々と行けるのは絶好ですね。日本で問題は、10万円を境に多くの付着部品が点いてきてむしろ”ありがた迷惑”になると言う点、雨でも目的的に乗るのか、人の多い所(狭い歩道)ではどう対処すべきか、などがあるみたいです。特に長い上り坂で停止すべきかの判断など、難しいと言いますから、ドイツではいかがですか。僕は保有していません。大阪の山さん

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    1. そうです、人(歩行者)の多い道で危険を感じさせずどう走るか。その点が一番苦慮する所です。それと長い上り坂で(特に橋に上るスパイラルになっているような所で)対向車が来た時停止するかどうか、判断に困った経験があります。
      買ってから今日までほとんど連日10−20キロは走っており、脚にきますが心地好い疲れです(とそう自分に言い聞かせています!)。

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