数年間、130平米弱ある我が家の清掃をやってくれていた掃除婦のおばさんが、突然来られなくなった。巨大企業のVodafonのビルが完成し、そこに新しい任務が決まったからだ。その後しばらく我々夫婦で分担して、真空掃除機とモップを使って清掃作業をやっていたが、大変な労力と時間が必要であることが判った。いきおい掃除をすることが少なくなり、家の中がなにか不潔になったような、不快感に襲われ始めた。
ある時偶然ロボット掃除機のことを読み、「解決策はこれだ!」と思った。いろいろな機種が出回っているようだが、念入りに調べて最後にi-Robot Roomba(ルンバ)に決めた。インターネットやYou Tubeに載っている評価が高かったからである。それから数ヶ月使ってみて、まずまず満足している。機種は「ルンバ775」、本当は当時最新の780をと思っていたのだが偶々家電店になく、一つだけ付属品が(複数部屋清掃用の「お部屋ナビ」)少なくなるだけだという話だったので、一つレベル下の775にしたのだ。価格も掃除婦に払う料金の数ヶ月分と同じ額だ(約500€)。
(基地で充電中のルンバ)
先ず寝室にホームベースを作り、そこで常に充電を行っている。掃除をするときはCleanボタンを押せば働き始め、終われば自分で基地に帰りまた充電を行うという賢さ。作業の動きが面白い。部屋の中をランダムに縦横あちこち走り回るのは、センサーがゴミを探しながら動くからだ。一番助かるのはベッドの下とかソファーの後側等、人間がやるとなると半腰になったり床に寝てやらなければ出来ない仕事を、ラクラクとやってのけることだ。すべてフローリング(板敷き)になっている我が家では、部屋から部屋へとルンバも仕事がし易い。数枚小さい絨毯は敷いているがその段差は問題なく(2㎝までなら)、スイスイと乗り越えて行く。「ここから向こうは入らないで」(床が片付けてないから、昨日やってまだきれいだ、とか)、と電流の壁を作ることができるバーチャルバリアーという付属品も便利だ。
(フロアーから絨毯の上に)
(作業範囲を決める赤外線のバーチャルバリアー)
更に良い点は、人間が側についていなくても勝手に働いてくれること。洗濯機も同じで自動家電機器なら当然のことだが、出かける際にスタートさせておくと、帰宅した時には掃除が終わっていて、ルンバ君は基地に戻り再充電がされている。基地のない部屋では、センサーが掃除終了を感知した時点でストップする。モップでの拭き掃除は妻が担当するが「モップの布につく汚れがすごく少なくなった。作業も短時間で簡単!」と喜んでいる。
(一部屋でこれだけのほこりを吸い取る!)
(ルンバの裏側:ロールブラシ2本、ゴミ集めの羽、センサーがついている)
このように良いことづくめだが、難点がないわけではない。ルンバの最大の弱点はコードなど床に横たわる紐やコード状の物体を機械に巻き込むことだ。ある時妻が床に落としていた睡眠用目隠しを巻き込み、途中でストップしていた。それと我が家の暖房器と床の間の隙間とルンバの高さが同じくらいであるので、そこに挟まってにっちもさっちも行かず停止したことがあった。抜け出そうと無理したのか、機械の表面に引っ掻き瑕がついていた(作動には影響ないが)。数回やった後の機械の掃除も割合手間がかかる。人間はこんなほこりの中で生活しているのか、とダストボックス内にたまる量は驚くほどだし、機械の周りもほこりだらけになる。これは宣伝パンフレットでもYou Tubeでも見せない点で、自分で掃除してみて(手についた埃に辟易して)初めて判ることだ。そして充電式電池を初め、ダストフィルターやローラー、ブラシ等各部のパーツは消耗品であり、年に何回か交換しなければならない。使いだしてからまだ短期間なので我が家では買い足していないが、一年でどれほどの追加出費になるのか?
(暖房パネルの下にひっかかり、身動き出来ないルンバ)
昨日は廊下と玄関をすませ、一昨日は寝室もやった。さて今日は一番大きい居間をきれいにしようか。ルンバ君がんばってね!。掃除することがこんなに楽しくなるなんて、以前は想像もしていなかったことである。
三千男さん。ルンバを使っておられるそうで利用者も踊りたくなりますね。手軽で、それほど漏電なども心配なくいいですね。充電が問題ですね。私はルンバは未経験ですが、充電すべき器具類が多いため、一々片づけておられず、部屋は充電用にタコの足配線でお宅のようにはいかないでしょうね。掃除機ルンバの清掃は簡単でしょうか。大阪の山さん
返信削除ルンバは手軽さの点で最高、扱い易い家電製品です。あちこち持ち運ぶにはかなり重量もあり、埃が周りについていることだけを辛抱すれば、ですが…。
削除仰せの通り、家中の充電のためのコードの多いことは驚くほどです。それで電気工事屋に相談して、テレビの後にあるコード類数本は、幅15㎝長さ1mほどのプラスチックカバーにまとめてもらってすっきりしました。その他小さい器具(携帯、電子辞典、デジカメバッテリー、iPad)用のは書き机の上、シェーバー、電気歯磨き用はバスルームに置いています。