ドイツ最大のコーヒー豆販売チェーンの名は“Tchibo“といい、全国どの町にも見られる。以前外観も内容もよく似た“Eduscho“というチェーンがあったが最近は消えてしまった。調べてみると何年か前に前者と合併したことがわかった。コーヒー豆は世界各国から輸入され、そのままでも挽いても売っている。標準は500gの袋だが250gでも1kgでも買える。コーヒー飲みの数は紅茶飲みより多いだろうし、町の繁華街にあるので客の入りもかなり良く、いつもはやっている。店前の通りでは季節の別なく、美味しくて安い直売のコーヒーを飲む人が座っている。しかしその繁盛もうわべだけかも知れない。というのはコーヒー豆専門店が様変わりしているからだ。コーヒーだけではやっていけないのか、多角経営をやり始めているのだ。
ご覧の通り店内に入ると、コーヒー豆関係のコーナーは1/3のみであとは雑貨、洋装品、台所用品がずらりと並び、客数はむしろそちらの方が多いようだ。私はこのコーナーを訪ねるのが好きだ、それは格安の面白いアイディア商品が次々と並ぶからだ。先日見つけたのはこんなもの、値段は8ユーロほどだった。
プラスチックの透明ボディの中に緑色の歯車が並んでいる。初めは子供の玩具かと思ったが箱には“Apfelschäler“とあったので「リンゴの皮むき、ピーラー」だとわかった。サンプルも置いてなく、どうやるのか解らなかったが、上手くむけなくても8ユーロのことだ、と早速買って帰った次第。
試してみたらこれがなかなかの優れものであることが解った。リンゴをセットしハンドルを回して刃を下までおろす。そこからハンドルを回すと、1個のリンゴが10秒はかからない、あっという間に皮も途中で切れずスルリと剥けてしまう!面白いので、食べもしないリンゴを数個も剥いてしまった。大きさや形によって少し皮が残ることもあるが、標準的なものは、まあきれいに剥ける。
しばらくテストしてから考えた。リンゴ1個を数秒で剥いたからってどうだって言うのだ?何十個ものリンゴから大量にジャムでも作る時には、この機械(?)も大いに役に立つだろうが。業務用の「皮むき機械」は日本にも沢山あるようで、最近「和風総本家」で見た、ごぼうの皮むき機や長ネギむき機は重宝で面白いと思った。
Tchiboのアイディア商品、あれこれ買ったが(暗い廊下のコンセントにさしておいて、夜中トイレに行く時センサーで灯りのつくランプとかは便利だ)一つだけネックとなっていることがある。気に入ったので次ぎに買いに行くと、もう新製品ばかりで、以前のものは入手出来ないのだ。ロングラン・アイディア商品は生まれ難いのかも知れない。