2011年9月7日水曜日

新地下鉄工事現場

 数年前までデュッセルドルフに住んでいて日本に帰られた方が、今日またこの町に来て中心部をご覧になられたら、「これがあのショッピング通りSchadowstraßeなの?路面電車の集合拠点のJan Wellem Platzがこんな風になっているの!」と、町の中心部の様変わりにびっくりなさることでしょう。

 それは、2007年に始まった新地下鉄Wehrhahn路線の工事のためなのです。現在路面電車が走っているBilk地区からWehrhan地区までの数Kmを廃止し、すべて地下に移そうという計画で、完成は2014年を目指す7年間にわたる大きな工事が進行中なのです。

 これが完成すると終発着の2駅のBilk とWehrhahnは地上に設置されますが、その間の6駅が地下にもぐります。そして1日に53000人の人間がこの線を利用することになるので、市全体の約10分の1の市民が恩恵を被ることになります。総経費はなんと65000万ユーロですが、現在の円高で大体1ユーロ=100円なので100倍にして換算すると650億円となりますか。これを市、州、国が分割負担するのですが、全路線3.4Kmでこの費用は、ちょっと膨大すぎるのではないでしょうか?

 今日新路線の中央点に当たるJan Wellem Platzから、東端の駅Wehrhahnまでカメラを下げて歩き、工事現場の写真を撮ってきました。地下鉄工事といってもトンネルを掘って地下で働くわけではなく、すべてが白日のもとで行われているので、通行人の誰でも良く観察出来ます。電車が自動車が、また歩行者が日々使っている通りや道路でクレーンや大型機械を使い削岩、掘り返しの作業がなされているため、その騒音と不便さは大変なものです。周辺の商店の売り上げにも大いに影響し、この工事が始まってから、私の知る限り数軒が閉店·廃業しました。その中には私の好きなミシンと高級生地の店も含まれているので、少々腹立たしい思いをしました。

 路上からノロノロ走る電車が消えると、自動車交通はきっとスムーズになるでしょう。それにHofgartenに続くJan Wellem Platzがすべて緑化地帯となれば、町の美化にも繋がることでしょう。それを楽しみに、我々市民はしばらくの不便さ、不愉快さを辛抱しなければならないと思います。

4 件のコメント:

  1. とても残念な事ですが、町の開発には必ず犠牲がでますね。
    日本も昔の情緒ある風景はかき消され、新しいビルが建ち並び
    今ではハイテクな先進国になりました。
    それが本当に良いのか悪いのかは判りませんが
    便利になり生活し易くなったのは間違いないですね。
    何事も変化する時には気持ちが付いて行くのに時間がかかります。
    特に日本の変化のスピードには、こちらにいると困難になりますね。 ^^;

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  2. Miluさん
    開発という名目のために、どれだけの美しいもの(特に自然)が破壊されたことでしょう。結果として人間の生活は便利、快適になったでしょうが、そのためにどれだけのものが失われたでしょうか?
    それにこのような建設事業にはいつも政治的な思惑が潜んでいることも否定出来ません。この町の建設計画にも政治家の野心が見え見えです。

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  3. MANです。いつもDUSの懐かしい情景を拝見させていただきありがとうございます。しかし、今回はFujiwaraさんんのおっしゃるとおりの驚愕の現実を目の当たりにしたという感がございます。ご他聞にもれず、私も在独時はImmermanまたShadowを抜けKonig通りで毎週のように買い物に出ていたためその景観の変貌に驚きを隠せません。(一部はDUS Homepageのwebcamなどで理解していましたが所詮、撮影画角が狭いので全貌は判りませんでした。)ご不便な生活が当面は継続する(なんと2014年とは独逸式?)のでご苦労かと存じますが、X100での各種情景をまた拝見させていただければ幸甚です。ありがとうございました。

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  4. MANさん
    最初はあまり気になりませんでしたが、最近になって工事現場のスケールがもの凄いことになって来たので、これは一度写真に収めてご報告を…と思った次第です。これから数ヶ月後、年末までにどうなっているか、興味津々と行った所です。とにかく、もうしばらくは混乱と騒音が続くことと思われます。工事の進行状態を時々掲載/投稿するつもりでいます。

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