2015年6月17日水曜日

すごい切れ味の鋏類


 春から初夏にかけここヨーロッパ北部の自然はめまぐるしく変化します。先ず遅い春の訪れとともに野原に紫、白、黄の可愛らしいクロッカスが咲き出します。そして森の枯れ木が新緑の葉で一面に飾られたかと思うと、数週間でその黄緑が次第に濃さを増してきます。

 次は公園にチューリップが咲き始め、藤棚には紫の房が垂れ下がります。5月になればツツジ、シャクナゲが満開となりますがそれも束の間、数週間でその花は一つ残らず枯れ落ちます。そして6月に入った今はバラ全盛の時期となっています。









 アパート暮らしの我々も地上階(日本流で1階に当たる)に住むという特権を利用して、少しのスペースに木や花を植えさせてもらっています。私の還暦祝いにもらった藤の苗木は、その後◯◯年(?)経ち今ではベランダの屋根に沿って数mほど延び、妻が安い値段で買ったバラの木はもう庭の一隅を覆うほどに成長しました。

 ベランダから手を伸ばしたり、脚立を持ち出して高いところの枝を切るのは大変な作業です。「せめて数十センチの柄のある刈り込み鋏があればねぇ」というの言葉に、思い出したのが高校の同級生O君です。彼は広島県尾道市因島にある、岡恒鋏工場の社長です(だった?もう引退して息子さんに譲ったかな?)。この分野では国内で、否国際的にも評価の高い製品を出しておられる有名な会社です。以前TV番組「和風総本家」で見たのですが、日本製の庭木・剪定・刈り込み用の鋏は,文字通りスッパっと切れ樹木を傷つけることがなく、その切れ味の優れていることで世界各国に知られ引っ張りだこだそうです。









 彼には以前からステンレスいけ花鋏や200m剪定鋏等送ってもらい愛用していました。それで今回も厚かましく長い柄のついた刈り込み鋏を所望したのです。それに快諾くださり,ご覧のような刈り込み鋏が、なんとお願いしてもう4日後に着いたのです。

 剪定という言葉がありますが、これは専門家のやる作業に使うべき言葉でしょう。樹木の形を整え、風通しを良くし、養分を効率よく採らせ、成長を促進し、害虫の繁殖を予防する、等々が剪定作業の目的のようですが、我々のやることはこれにはほど遠い!ただ枯れ枝や延び過ぎの枝を切るだけのこと、これには「剪定」ではなく単なる「刈り込み」か「切断」が適当でしょうね。

 お陰でベランダ周囲や書斎の窓外付近の延びすぎた枝が払われ、本当にスッキリしました。ここに掲載した鋏の種類はほんの数種類ですが、「岡恒」印のその他の鋏類は実に数多く揃っています。一度インターネットで検索なさることをお薦めします。柄に付けられた鮮やかな白と赤の色が特長です。下の娘同伴で彼の鋏工場を見学したのはもう10年以上も前のこと、その時の生口島の海岸近くの工場は、高潮による危険大ということで、因島の重井に新工場を新しく造られたと聞いています。昨年秋、重井には行ったのですが夜間のことで機会を逸しました。近代技術の粋を備えたそちらの工場も、近々是非お訪ねしたいものです。

2 件のコメント:

  1. 三千男さん。刃物では、ゾーリンゲンなど旧来よりドイツ製はいいと思ってきています。仕事でドイツ出張時には、町中の専門店で刃物系のお土産を買い込んで、お渡しした相手に喜ばれた記憶があります。ドイツでは刃物の本質が分かっているのでしょうね。僕自身でもドイツ製ナイフ等は今でも使っているものがあります。岡恒のターチャンの話が出てきて懐かしいです。彼とはいま1年2回のご挨拶だけ。、小学校のころ田熊のご自宅裏の小さな工場で汗をかきながらハサミを作る「オヤジ 岡恒さん(確か岡野恒太郎さん)」を二人で眺めた記憶があります。そうですか。貴台には岡恒のハサミはそんなにいいものですか。工場も大きく幅広く拡張され頑張っているのですね。ホコリに思います。大阪の山さん

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    1. そうですね、言われてみれば刃物はドイツ製が優れているという評判でしたね。しかしどういうわけか、そんな刃物専門店もこのところ店じまいする所が増えています。刃物だけという店ではもう成り立って行かないのか?他の台所用品、家庭用品の片隅に置かれているようです。
      ターちゃんには去年の秋因島で会ったし,奥さんの甥御さん夫妻がデュッセルドルフの商社駐在員で働いておられるので、このところ親しくお付き合いが続いています。10年ほど前には、他の同級生共々欧州旅行を楽しみました、

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