2014年11月16日日曜日

日本旅行2014(4)


 102日は早朝に起床し急いで朝食をすませ、8時前にはホテルを出発しました。その日は熊野古道を歩く計画だったので、南紀勝浦に午前中の内に着きたかったのです。JRの電車は乗り換えも含め約3時間で勝浦駅に着きましたが、また小雨が降り始めていました。

 駅でスーツケース等手荷物すべてを預け身軽になりました。いや、預けるだけでなくその晩泊まるホテルまで配達する手配もしました。これは前の日もやったことで、手荷物なしで身軽に観光するにもってこいのサービスです。ヨーロッパのどの駅でも、荷物預かり所かロッカーはあっても、ホテルまで届けてくれるこのようなサービスをするところはどこにもありません。


 この日の行程は勝浦駅からタクシーで数分の所にある大門坂から出発し、1.3km続く石の階段をひたすら登り那智の滝に達するコースです。ここは有名な熊野三山を目指すいくつかの巡礼道の一つなのです。まだ時折小雨が降って濡れている石段は、ともすればすべって転びそうになり、私たちは一歩一歩こわごわ歩きました。こんな所で足でもくじいて動けなくなったらもうお手上げですから。昼尚暗い途中の杉林の登り坂には歴史の跡がしみ込んでいるようでした。今から1000年以上も前に白川上皇が巡礼の旅を始めた後、京都の貴族も沢山それに倣って熊野詣でをしたということです。そんなことを真似してか、貸衣装でお公家さんの恰好をして石段を登る若者たちを2組ほど見かけました。それが史実に基づいたことなのかどうかは詳らかにしませんが、私にはどうもコスプレ趣味のお遊びのようにしか思えませんでした。


 このコースの最終点、そして最高峰は那智の滝です。幅13m滝壺までの落差133mの日本一を誇るこの滝は、数日前から降り続いた雨のためさらに水量を増やし、ごうごうと音を立てて落ちている様子は壮観でした。巡礼街道である熊野古道は那智の滝を合わせ2004年にユネスコ世界遺産に指定されましたが、道が世界遺産に指定されたのは世界中でここと、やはり巡礼の道をもつスペインのサンティアゴ・デ・コンポステラの2カ所だけだということです。数日後この二つの世界遺産を比較し,報道するTVの旅番組をやっていましたが、日本滞在中に幸運にもそんな番組を見ることが出来たのは、両者ともに訪れる機会があった私には特に興味深く感じられました。


 その晩は勝浦港に面したホテルに一泊しました。南紀はやはり潮の香りのプンプンする漁師の世界です。ホテルの夕食時にはマグロの解体ショーもあり、豪快に切り分けたマグロをいやというほど食べました。私の母方の祖父(明治18年=1885年生まれ)は勝浦よりさらに南の串本の網元の出であると聞いていました。そんな話にだけは何度も聞いていた祖父の出身地、南紀州の海の地を今回訪れることが出来たのは本当に幸いでした。


4 件のコメント:

  1. 大門坂からひたすら上り階段の石段を歩き始めた途端、このコースを選んだのはちょっとまずかったのではと反省し始めました。もっと「熊野古道」らしい山の中の平坦なコースがあったのではと・・・でもよく考えてみたら神社というのはいずれも高いところに位置し、その巡礼の道はいずれも大した坂道なのでは・・・と。
    私たちが歩いたのも那智神社への道、途中でへばって那智の滝への道に下ってしまった年寄3人、一人
    神社まで階段を上ったぺトラさんが正道だったのかも。それにしても昔の人はよく歩いたものです。

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    1. 歩けど歩けど延々と続く石段にうんざりしましたね。やっとそれが終わったと思ったら那智神社へはさらに急な石段!もう元気は萎えました。一人登ったペトラも今訊いてみると「大変だった!わざわざ難しくしてるみたいな道!興味深い古い建物はたくさんあったけど。」と白状していました。

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  2. 三千男さん。小雨降る熊野古道から那智の滝まで歩いたそうで、大変でしたね。僕は、熊野神社という大阪豊中の神社近辺の様子は知っていますが、この方面へは出かけたことがありませんん。歩くとだいぶしんどそうですね。JRの手小荷物輸送サービスを、昔チッキといい他に輸送手段がなく僕も国鉄時代にはこの有料サービスをよく使いました、まだ存続し使えるのですね。懐かしい。大阪の山さん

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    1. このようなウォークには天候が大いに支配しますね。もし快晴だったら気分も爽快となり疲れも半減したでしょう。でも途中でへばることなく、ちょっと近道しましたが、目的地の滝までなんとか着くことが出来ました。
      チッキとは懐かしい語!学生時代実家に帰る時、駅から行李詰めの荷物をチッキで送ったことでした。元の語はなんでしょう?多分checkだと思いますが間違いかな?

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