日本からのお客さんをオランダへ案内するなら、ぜひこの国のシンボルである風車を見せたいと思い、ザーンセ・スカンスへ行きました。
このザーン川沿いの小さな町は、首都アムステルダムの郊外にありオランダの歴史遺産を集めた、年間100万人に近い客が訪れるすばらしい観光地です。町の名前はオランダ語でZaanse Schansと書きますが、
Schansはドイツ語のSchanze(堡塁)でしょうから、「ザーン川の堡塁、防塁」という意味になりますか?16世紀北海からの征服者スペイン人の侵入に備えた防備の場所だったのでしょう。
川に沿って沢山のグリーンに塗った木造家屋や倉庫、土産物店、カフェー、レストランが立ち並んでいます。お目当ての風車は、それぞれ名前のついたものが8基ほど今日でも動いており、粉を挽き、油を搾り、マスタードや染料の生産に使われているものもあります。すべてを含め、ここはオランダ歴史を語る一大野外博物館となっています。
近くに寄ってみると、折からの風に吹かれ車が回っていました。枠に船の帆のような布がつけてあるのがわかります。高校時代に「オランダ風車がトンカラリン、仲良し風さんと話してる」という歌を歌った覚えがありますが、至近距離で見る風車はそんな悠長なものではありません。大きな音を立てすごいスピードで回るオランダ風車は怖いほどで、間違って頭にでも触れれば大怪我をするでしょう。
構内にはその他に木靴やチーズを作って売る家や、博物館の建物がありますが、先を急ぐ私たちは古いレストランのテラスで昼食をした後、ザーン川の遊覧船で水の上から風車と沿岸の民家(どれもすばらしく手入れされている!)を見ただけで、次の目的地、北海沿いの海水浴ビーチをもつNoordwijkの町に向かいました。
この北海に面したリゾート地をドイツ人はノルトヴァイクと発音しますが、オランダ語ではどういうのか、現地の人に訊くのを忘れました。海水浴海岸ですから観光客や長期休暇滞在者は夏の期間が一番多く来るようです。海岸沿いに立ち並ぶホテルのスケールのすごいこと!それに休暇用アパートが町中に数多く見られます。しかしその他のシーズンでも客は多いらしく、寒風の吹きすさぶ冬期にもわざわざ出かけて来て海岸の散歩を楽しむ人も後を絶たないと聞きました。
我々も裸足になって波打ち際を歩き、北海の冷たい水に悲鳴を上げ、白く細かい砂浜に座ってしばらく夏の太陽をエンジョイしました。夕食は町の有名なフレンチレストラン"Paul´s Recept"(基本はフレンチでも、この地方の趣を加えているという)へ出かけ、北海で穫れた新鮮な魚介類のディナーに舌鼓を打ちました。食事が終わった時はすでに9時をかなり回っていました。夕方少し降った雨が上がり、夕日が海に沈むのか辺りが真っ赤になっていました。海岸の堤防に登ってみたら、こんなすばらしい夕日が目の前に!北オランダの一日は旅人にとって忘れられない一日となりました。
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