翌日(19日)も35℃以上の猛暑でした。おまけに野外での昼食の時間に招かれていたのでどうなることかと少々心配でしたが…。
妻の兄の奥さんが60歳の誕生日を迎えたので、親類、知人、友人、会社関係の従業員、顧客等々数十人から百人近くを招待しました。0のつく誕生日はドイツ語でRunder Geburtstag(端数のない誕生日)と呼び、特に大きなお祝いをします。今回は自宅の庭が会場。そこはアーヘンの郊外で、かつて領主の要塞・城であったものを数軒の住宅に造りかえたものです。付随する当時の病院、僧院、厩等がモダンな石造りの家になっています。
オードブルやおつまみ等は自分の手で作りましたが、グリルの肉、魚、サラダ類、デザート等メインの食べ物と各種飲み物はすべてパーティサービスの店から取り寄せ、そこの従業員が終日サービスに忙しく立ち働きました。来客は戸外の木陰で食べる人もいましたが、ほとんどの人は床つきのテントの中で食事をとりました。テントの中も照りつける太陽のため蒸し風呂のようになりましたが、あちこちにスタンド扇風機を立てなんとか暑さをしのいでいました。
食事の後司会者のリードの元皆でゲームをやりましたが、これも炎天下でのお遊びで、参加者にはかなり辛いことでした。最後に参加者全員に風船が手渡され、司会者の合図で空へ放たれました。それに先立ちなされた主賓のスピーチは印象深いもがありました。「60歳になった今日まで 多くの子供や孫に恵まれて元気に生きて来られたことに心から感謝しています。身内ですでに亡くなった人たちにこの喜びを分かち合いたいと思い、その願いをこめて風船を空に放ちます。今日の参加者と一緒に天国で喜んでいただければ幸いです。」
2日続けて大きな野外パーティに参加して考えさせられたのは、平和で豊かであらゆる点で恵まれているドイツの社会に住んでいることに感謝しなければならない、ということでした。欧州内では財政危機に襲われ瀕死の状態の国(ギリシャ)があり、ユーロドリームが破れ職を失った人々が溢れています(スペイン)。中東では内戦で荒れている国(シリア)で同胞同士が殺し合っている、アフリカ諸国では何年も続く食糧難で飢え死んで行く人が絶えないのが現状です。多くの風船には「世界に平和と十分な食べ物を。人々に働く場所と生きる希望を!」という願いをこめて放たれたものが多くあったことでしょう。