12月24日にはビーレフェルドの孫たちといっしょにクリスマスイブを楽しみました。午後3時から村の人々で一杯の教会でページェント(聖誕劇)が行われました。これは聖書に記されたキリスト誕生の物語を子供たちが演じるものです。
先ず長旅をして生まれ故郷に着いたヨセフとマリアが満員の宿屋で断られ、仕方なく馬小屋に泊まりそこでイエスが誕生します。それから天使たちが現れ「今日ダビデの町に赤ん坊が生まれた。これがキリストである」と合唱しながら人々に伝えます。それを聞いた羊飼いたちがやってきて、馬小屋の藁の中に寝ている幼子イエスに会い喜びます。東の国に住む3人の博士たちが、明るく光る星に導かれイエス誕生の場所まで到達し、それぞれの贈り物を差し出します。
これはすべて聖書にある物語で、もちろん万国共通のお話。私も日曜学校の生徒であった頃毎年のようにやったものです。小さな村の教会には舞台がなく、すべて狭い通路で劇が行われるため少々窮屈ですが、子供たちがすぐ目の前で一所懸命、覚えた台詞を言って演ずるのが見られました。
その後家路につく頃にはあたりはもう暗くなり始めます。家ではクリスマスツリーにあかりが灯り、いよいよプレゼントが配られます。これはBescherungといい、古いドイツ語で「分け与える、分配する」というのが語源です。一番小さいユリアはまだサンタクロースの存在を信じているでしょうが、小学生のお姉ちゃんたちは、プレゼントは全部両親が買い整えてくれたものであることを知っています。だから前もって自分たちの欲しい物のリストを作って渡してあるのです。
プレゼントの包みをすべて開けるには半時間もかかりました。希望していた贈り物が出て来る度に、子供たちの嬉しさと興奮が増して行きます。一段落すると次はご馳走が待っています。今年は少し趣向を変えて、スイス風のラクレットグリルが用意されました。これはハードチーズを温め柔らかくし、削り取って(ラクレットとは「削る、引っ掻く」というフランス語)ジャガイモやその他の野菜等にからめて食べるのです。家族の全員がグリルの周りに座ってそれぞれのプレートを使って食べるので、一家団欒の雰囲気が一杯で、本当に楽しいクリスマスディナーの一時となりました。