最近スーパー等の店先に Öko(エコ)とか
Bio(ビオ)とかという名前のついた商品が多く見られるようになった。もともとエコロジーとは生態学のことだが、それは自然環境を保護し、人間生活との共存を目指す考え方を表すものとして使われる。一方ビオの産物・製品は有機農作物や加工食品のレッテルをつけたものであり、自然志向をもつ健康ブームにのって食の安全や衛生面に敏感な消費者に訴える。
先週末訪れた店で見た表示にはビオ、エコの両方が並んでいた!(上左の写真)この店の名前はLammertzdorfといい、ここからケルン方向20km弱のKaarstの町にある。そもそもの初めは、夫婦共働きをしている娘家族でBiolandの主宰する Ökokisteを利用している、と聞いたのが発端である。Biolandは1971年創設の6000軒以上の会員(栽培・生産・販売・経営者)を有するドイツ最大のエコロジー栽培推進協会だ。そして彼らのやっているエコキステ(Ökokiste,英=Organic box)は、生産者と消費者を直接、定期的に結ぶ野菜・果物等の宅配サービスである。毎日忙しく働いている娘夫婦は5人家族のために買い物に行く時間が限られており不便をしていたが、このサービスを使い出して以来ずいぶんと助かっている、ということだった。
Kaarst郊外にある Lammertzdorfは見事な農業栽培地の真ん中にあり、周囲は広大な畑で店に着くまでの道は樹木の並木道が数百m続いていた。店そのものは今まで見た同種の店の中でも最大の規模のもので、野菜果物は言うに及ばずビオ関係の商品(日本でも知られている自然由来成分使用のヴェレーダやDr.ハウシュカの化粧品)が所狭しと並んでいる。店内で30分ほど買い物をした後、我々はÖkokisteの申し込み手続きをした。これは先ず4週間だけの「お試し宅配」であり、我々は水曜日をその日と決めた。
そして今日13日(水)に最初の箱(kiste)が届いた。前もって電話で問い合わせると今日の配達数は75軒ほど1時から5時間ほどでカバーする、うちは最初の配達日で慣れていないので、午後遅くなるといわれたが4時半には届いた。中味は掲載の写真の通り、リンゴ、タマネギ、ニンジン、ノヂシャ、それに白いニンジンの形をした冬の今が旬のPastinak(パーソニップ)が数本入っていた。野菜・果物以外では特注のチーズ2種と卵6個。全部で20€ちょっとの値段は順当だろう。箱の中味は店まかせでも良いし、顧客の希望により色々変えることも出来る。
毎日の料理を担当する私としては、これだけの量のものを1週間で上手に無駄なく使わなければならない。特にドイツ特産でこれまで見たこともない,名前も知らないものをどう処理するかが大きな課題となる。上のパーソニップはスーパーで見かけはしたが自分で料理するのは初めてとなる。それでも「クックパッド」で探したらポタージュやスープに使うレシピーが見つかった。芋(特にサツマイモ)に似ているということで、醤油と蜂蜜を使って大学芋ができそうで、これはぜひトライしてみなければ!
注文品の野菜を使ったレシピーも請求書の裏に印刷されて届けられるので、未知の材料を前にして途方に暮れることはなさそうだ。箱の底に入ったLammertz akutuellという新聞には、野菜の保存法等とかいろいろな役立つ助言が載っている。とにかく新鮮な地方栽培の野菜・果物を絆として、栽培者、生産者と消費者を直接に結ぶエコキステはさらに広く普及して欲しいものだ。次はどんなものが届くのか、水曜午後の配達が楽しみだ。