2011年11月22日火曜日

日本旅行2011(3)


3.京都

 これまで何度も訪れた京都はほとんどの場合、地元の知人の家に泊めてもらい、案内つきで町を見て歩いただけだった。今回は妻と2人だけで駅前にホテルを取り、ガイドブック一切なし行きあたりばったりの観光しよう、という計画だった。
 
 先ず駅の中にある「京都ナビ」案内所へ。入り口で観光地図を渡している人、そしてカウンターに座る何十人というバイリンガルのヘルパーさん!その微に入り細にわたる、てきぱきとした気持ちの良い対応•案内の仕方に驚き感心し、旅行者として身にしみて本当にありがたかった。

 最初計画した京都御所は生憎一般公開の日ではなかったので、その南にある京都御苑の植物を徒歩で観察した後鴨川を渡り、京阪電鉄で祇園まで行ってショッピングを始めた。やはり古都京都だけのことはある、この通りも東京銀座や横浜元町とはまったく違った、伝統的で垢抜けた雰囲気がある。

 特に京都らしい古い木造の家が立ち並び舞妓さんが2人歩いている通りがあったので、東大路通りから東へ折れしばらく歩く。道行く人から清水寺まで歩ける距離だ、ということを聞いたのでそのまま南東へ進む。その途中見た、自然の岩石を使った塀の続く、人もあまり通らない小路のすばらしかったこと!

 清水寺近くなると、さすがに人込みがひどくなり、土産物屋の客引きの声も騒がしい。この辺り着物の女性が沢山目につく。やはり京都だ!と感心していたのだが、近寄って話しているのを聞くと…。なんと皆中国語なのだ。すぐに疑問解決。あちこちに「着物レンタル、着付けつきで3500円」という看板が立っていた!すると、さっき見た舞妓さんもそうか?歩き方がなにかぎこちなかった!?

 「清水の舞台から飛び降りるつもりで」というのは、単に思い切ったことをするための言い回しだけではなく、実際にやった人が沢山いたそうだ。この13メートルほどの高さの舞台から飛び降り無事だった人は幸運をつかむ、ということで、江戸時代に飛んだ人の数は234人、生存率は85.4%!茂った樹木がクッションの役目を果たしたのだろう。明治の初めからそれが禁止された

 翌日の観光は案内つきとなった!ブログ友達のMさん(たまたま118日は彼女の誕生日)とお母さんが奈良から出て来て遠来の客のために一日費やして下さったのだ。先ず亀岡駅まで行き「嵯峨野観光鉄道」(通称トロッコ列車)で嵐山まで。旧山陰線を使った路線の途中の景色は、保津川峡谷を通る絶景だ。はるか眼下に保津川下りの船も見える。車内の案内アナウンスは日中両国語でなされていた。

 トロッコを降り、観光客の群れに混じって歩く。この辺り至る所に見られる、明るいグリーンで真っすぐに延びる竹林の見事なこと!これほどの規模の竹林はここだけだろう。その後立ち寄った世界遺産の天龍寺の森も有名な嵐山渡月橋からの景色も、暖かい今年の気候のため、期待していた燃えるような紅葉には少し早すぎ残念だった。

 嵯峨野までタクシーで数分、ここの茶寮「弁治」は伝統建築保存地区にあり、美しい庭を眺めながらの湯豆腐お膳の昼食も絶品だった。そこから嵯峨野散策が始まり、途中化野念仏寺や落柿舎に立ち寄る。これまでガイドブックでしか読んでいなかったこの散策路の落ち着いた雰囲気は、忙しい観光旅行の気分をぐっと癒してくれる。沿道の店も客引きの騒がしい声がなく、並ぶ土産物も趣味の良いものばかりで、ついつい買いたくなってしまう。

 散策の終点嵯峨嵐山駅から京都駅までJRで夕刻までに帰る。すばらしい計画と案内をしてくださったMさん母娘に「ありがとうございました、忘れられない一日となりました」と、心から感謝したい。



2 件のコメント:

  1. 旅行はその土地に詳しい方の案内で全く違ったものになりますね。
    素晴らしい旅ができ良かったですね。
    奥様も感動なさったのでは?

    清水の舞台から飛び降りるが、実際になされていたとは驚きです。

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  2. 地元の方の案内があると、土地勘のお陰で随分と時間が節約出来ますね。次々といろんな所へ行け、面白いものも見物できて嬉しいです。
    妻は私を遥かに超えるGlobe trotterですが、感動屋なので何を見ても「すごい、すばらしい!」と感動してくれます。旅の同伴者としてはやりやすいタイプです。むっつり不機嫌な顔で歩いては面白さ半減しますものね。

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